適性科目・技術者倫理・リスク
安全とリスク低減
13問H23・H24・H25・H26・H29・R1・R1再・R2・R3・R4・R5・R7
ISO/IEC Guide51の安全の定義、リスクアセスメントの流れ、3ステップメソッド、ALARPの原理を問う問題です。
よく出る形
- ISO/IEC Guide 51(JIS Z 8051)の考え方(安全の定義,許容可能なリスク,3ステップメソッド)の正誤
- リスクアセスメントの流れ図の空欄補充
- リスク低減の事例が適切かどうか。ALARP(キャロットダイアグラム)の説明
- 安全に関する用語の説明の組合せ,機械安全(ISO 12100)や放射線防護(ALARA)の記述の正誤
- 毎回,正誤の組合せか不適切なものを選ぶ形。定番の記述の1か所を反対にした文が1本まざる
覚えること
- 安全=許容不可能なリスクがないこと。絶対安全ではない
- リスク=危害の発生確率と,危害の度合い(ひどさ)の組合せ
- 許容可能なリスク:現在の社会の価値観にもとづく水準。一度決めたら終わりではなく,技術や知識が進んだときなどに見直していく
- リスクアセスメントの流れ:使用者・意図する使用・合理的に予見可能な誤使用の同定 → ハザードの同定 → リスクの見積り → リスクの評価
- 同定から見積りまでがリスク分析。それにリスクの評価を加えたものがリスクアセスメント
- 許容できなければリスク低減 → もう一度見積り・評価 → 残留リスクが許容可能になるまでくり返す → 妥当性確認及び文書化
- 合理的に予見可能な誤使用:作った側が意図しない使い方だが,人のふるまいからたやすく予測できる使い方(例:いすを踏み台にする)。わざと悪用する不正な使用とは別
- ハザード=危害の潜在的な源(危険のもと)。危害は,人のけがや健康障害,財産や環境への損害で,別の言葉
- 3ステップメソッド(設計段階):本質的安全設計(危険そのものをなくす・小さくする)→ ガード及び保護装置 → 使用上の情報(警告表示・取扱説明書)。この順に優先する
- 柵,カバー,インターロック,光線式の安全装置は,危険を残したまま人を守るので,ガード及び保護装置(ステップ2)。光線式の安全装置は,機能安全で働く装置でもある
- 本質的安全設計や保護装置を適確に行わずに,使用上の情報を提供するだけで済ませてはならない
- ALARP(As Low As Reasonably Practicable)=合理的に実行可能な限り低く。Guide 51の本文に明記された言葉ではない
- キャロットダイアグラムは上から「許容できない領域」「ALARP領域」「広く受け入れられる領域」
- ALARP領域のリスクを受け入れてよいのは,これ以上下げることが実際的に不可能なとき,または下げる費用が改善効果に比べて著しく不釣り合いなときだけ
- フェールセーフ:故障や電源の喪失が起きても,安全な側に動作する(例:停電で遮断かんが下りる踏切)
- フールプルーフ:使用者が誤った操作をしても危険にならない,または誤った操作そのものができない
- 冗長化(多重化):同じ働きの部品や系統を複数そなえ,一部が故障しても全体の機能が保たれる
- 機能安全:付け加えた安全装置や制御の仕組みが正しく働くことで守る安全
- 似た言葉:ALARA(放射線防護などで「合理的に達成できる限り低く」),レジリエンス(回復力)
- 警告表示は,使う国の言語で,読みやすく消えないように書く
解き方
- 対策の事例は,本質的安全設計を検討したうえで,ガード・使用上の情報を使っているかを見る
- ALARPの記述は,許容の理由が「不可能」か「著しく不釣り合い」かを確かめる
- 対策の例は,危険の源がなくなったか(本質的安全設計),残したまま人を守るか(ガード・保護装置)で分ける
ひっかけ
- 3方策に優先順位がない,本質的安全設計を省略して保護装置や警告で済ませてよい,は×
- 「予算に収まらないから」「他社より価格が高くなるから」「意匠を優先して」リスクを受け入れる・本質安全をやめる,は×
- 残留リスクへの対応を全て使用者に委ねる,システム安全はハードウェアのみ,は×
- 許容可能なリスクの水準は,一度決めたら変わらない,は×
- ハザード(危害の源)と危害(害そのもの)を取り違えない
- リスク分析とリスクアセスメントの範囲を取り違えない(評価まで含むのがリスクアセスメント)
- 柵やインターロックは,本質的安全設計ではなくガード及び保護装置
このテーマの過去問(このサイトに解説がある 7問)
- 令和7年度リスクアセスメントとALARPの原理適性科目 II-14解説を読む
- 令和5年度製品安全とALARPの原理適性科目 II-14解説を読む
- 令和4年度リスク低減とALARP適性科目 II-6解説を読む
- 令和3年度ISO/IEC Guide51のリスク低減適性科目 II-10解説を読む
- 令和2年度リスクアセスメントの流れ(ISO/IEC Guide51)適性科目 II-7解説を読む
- 令和元年度(再試験)安全とリスク低減(Guide51)適性科目 II-12解説を読む
- 令和元年度安全に関する用語の説明適性科目 II-6解説を読む
平成に出た同じテーマ(6問)
このサイトにはまだ解説がありません。年度と題だけです。
- 平成23年度日本と国際の安全規格の考え方
- 平成25年度ISO12100機械安全
- 平成29年度ISO/IECガイド51と安全
- 平成26年度ALARAの原則
- 平成24年度安全の認識と対応
- 平成26年度安全の認識とリスク対応