安全とリスク低減 想定問題 1
製品やシステムの安全を確保するための国際的な指針であるISO/IEC Guide 51(JIS Z 8051)と,それに関わるリスク低減の考え方に関する次の(ア)~(オ)の記述について,正しいものは○,誤っているものは×として,最も適切な組合せはどれか。
(ア)このガイドでいう「安全」は,危険がまったくない状態を指すのではない。危害が起こる確率と危害のひどさを組み合わせた「リスク」を用い,受け入れることのできないリスクが存在しない状態を「安全」としている。
(イ)許容可能なリスクの水準は,一度定めれば社会の価値観や技術の進歩によって変わることはないので,見直す必要はない。
(ウ)リスクアセスメントは,だれが・どのように使うか(作り手が意図しないが予測できる誤った使い方を含む)を明らかにし,危害の源を洗い出し,リスクの大きさを見積もるリスク分析と,それに続くリスクの評価とで構成される。
(エ)設計段階のリスク低減は,本質的安全設計,ガード及び保護装置,使用上の情報の順に検討する。前の段階で下げられるリスクを,警告表示や取扱説明書だけで済ませることは適切でない。
(オ)ALARPの考え方では,リスクを下げる対策をすると同業他社の製品より価格が高くなってしまう場合には,それ以上の低減を行わず,そのリスクをそのまま受け入れてよい。
アイウエオ
解説
ポイント
Guide 51の考え方とリスク低減の考え方について,記述の正誤を1つずつ判断する問題です。
考え方と解き方
安全の定義,許容可能なリスク,リスクアセスメントの構成,3ステップメソッド,ALARPの理由を確かめます。
ア:正しい。安全を「受け入れられないリスクがない状態」とし,リスクを確率とひどさの組合せとしています。定義どおりです。
イ:誤り。許容可能なリスクは社会の価値観にもとづくもので,見直していくものです。「変わることはない」は言い過ぎです。
ウ:正しい。同定と見積りまでがリスク分析で,それに評価を加えたものがリスクアセスメントです。
エ:正しい。3つの方策には優先順位があり,使用上の情報は最後です。本質的安全設計などを適確に行わずに,情報の提供だけで済ませてはなりません。
オ:誤り。「他社の製品より価格が高くなる」という都合だけでは,リスクを受け入れる理由になりません。費用が効果に比べて著しく不釣り合いかどうかで判断します。答えは ア ○,イ ×,ウ ○,エ ○,オ ×
覚えておくこと
- 安全=許容不可能なリスクがないこと。絶対安全ではない(テキスト・覚えること)
- 許容可能なリスク:現在の社会の価値観にもとづく水準。一度決めたら終わりではなく,技術や知識が進んだときなどに見直していく(テキスト・覚えること)
- 3ステップメソッド(設計段階):本質的安全設計(危険そのものをなくす・小さくする)→ ガード及び保護装置 → 使用上の情報(警告表示・取扱説明書)。この順に優先する(テキスト・覚えること)
- ALARP領域のリスクを受け入れてよいのは,これ以上下げることが実際的に不可能なとき,または下げる費用が改善効果に比べて著しく不釣り合いなときだけ(テキスト・覚えること)
類似する過去問:令和元年度(再試験) 適性科目 II-12、令和4年度 適性科目 II-6、令和5年度 適性科目 II-14、平成29年度 適性科目 II-12
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