基礎科目・力学
固有振動数
11問H23・H24・H25・H26・H28・H29・R1・R1再・R2・R4・R6
ばねのつなぎ方や、はりの支え方・断面で固有振動数の大小を比べる問題が毎年出ます。基本は f=(1/2π)√(k/m) です。
よく出る形
- 2本のばねの並列・直列・両側から挟む系で,固有振動数が最大・最小のものを選ぶ
- ばね質点系を水平・斜め・垂直に置いた時の大小
- 糸の張力で振動する系の比。棒の振り子の周期
- はりの支え方(単純支持・片持ち・両端固定)や断面の形で比べる
- 固有振動数・固有振動モードの文章問題
- 毎回,系の種類(ばね,糸,棒の振り子,はり)や求めるものが変わる。数字だけの入れ替えはほぼない
覚えること
- f = (1/(2π))√(k/m)。k はばね定数(硬さ),m は質量。硬いほど速く,重いほどゆっくりゆれる
- 並列は K = k1 + k2。質点を両側から挟むのも K = k1 + k2。直列は 1/K = 1/k1 + 1/k2(k が同じなら K = k/2)
- 重力はつり合いの位置をずらすだけ。置く向き(水平・斜め・垂直)で f は変わらない
- つるしたばねでは,つり合いの伸び δ から k/m = g/δ。f = (1/(2π))√(g/δ)
- f(Hz),角振動数 ω = 2πf(rad/s),周期 T = 1/f(秒)は別のもの
- 単振り子の周期 T = 2π√(L/g)。質量によらず,糸の長さ L を4倍にすると周期は2倍
- 端を支点にした棒の慣性モーメントは Ml2/3
- はりは曲げにくさ EI(E はヤング率,I は断面二次モーメント)が大きいほど f が高い。支えがしっかりしているほど高い(両端固定 > 単純支持 > 片持ち)
- 長方形断面の I は,たわむ向きの寸法の3乗に比例する(高さ h の向きにたわむなら bh3/12)。断面積が同じなら,たわむ向きに薄い形ほど f は低い
- 減衰(速さに比例する抵抗)があると振幅は小さくなり,振動数は減衰がない時より少し低くなる:ωd = ωn√(1 − ζ2)(ζ は減衰比)
- はりや板には固有振動モードが無数にある。時間の2階微分がない熱伝導では振動は起きない
解き方
- それぞれの系の「まとめたばね定数 K」を出す
- K/m を比べる。f は √(K/m) に比例する
- 例:ばね定数 k のばね2本と質量 m → 並列 K = 2k,両側から挟む K = 2k,直列 K = k/2。直列の f は並列の √((k/2)/(2k)) = 1/2 倍で,最小は直列
- 例:糸の系(T は糸の張力)で,(a) K = 2T/L,質量 m,(b) K = T/L,質量 2m → K/m は (b) が (a) の 1/4 なので,fa:fb = 2:1
- つるしたばね:δ = 4.9 cm = 0.049 m なら k/m = 9.8 ÷ 0.049 = 200,ω ≒ 14.1 rad/s,f ≒ 2.25 Hz
ひっかけ
- 「両側から挟む」を直列と思いこまない(並列と同じ 2k)
- 垂直につるすと重力で振動数が変わる,と考えない(変わらない)
- 周期,振動数,角振動数を取りちがえない(周期 = 1/f,ω = 2πf)
- ばね定数の合計が大きくても,質量も大きければ K/m は小さくなる
- 減衰があると振動数が高くなる,と考えない。少し低くなる
このテーマの過去問(このサイトに解説がある 5問)
- 令和6年度ばね質点系の固有振動数基礎科目 I-3-5解説を読む
- 令和4年度糸に付けた物体の固有振動数基礎科目 I-3-6解説を読む
- 令和2年度ばね質点系の固有振動数基礎科目 I-3-5解説を読む
- 令和元年度(再試験)固有振動数と固有振動モード基礎科目 I-3-5解説を読む
- 令和元年度剛体振り子の周期基礎科目 I-3-6解説を読む
平成に出た同じテーマ(6問)
このサイトにはまだ解説がありません。年度と題だけです。
- 平成29年度はりの曲げ振動の固有振動数
- 平成28年度はりの固有振動数と支持条件
- 平成26年度ばね質点系の固有振動数
- 平成25年度はり断面と曲げ固有振動数
- 平成24年度ばね質点系の固有振動数
- 平成23年度支持条件と、はりの固有振動数