基礎科目・力学
棒の伸びと不静定
10問H24・H26・H27・H28・H29・H30・R3・R4・R5・R7
δ=PL/(EA) で棒の伸びを出す計算と、両端固定の棒の反力・熱応力(つり合いだけでは解けない不静定問題)です。
よく出る形
- 棒を引っ張った時の伸びを求める
- 2本の棒で荷重を支える時の,軸力の比・伸びの比・応力の比
- 両端固定の棒の途中に力をかけた時の,反力や力をかけた点の変位
- 両端固定の棒の温度が上がった時の熱応力
- 毎回,求めるもの(伸び,軸力の比,反力,変位,熱応力)が変わる。数字だけの入れ替えはほぼない
覚えること
- 応力 σ = P/A(P は力,A は断面積)。ひずみ ε = δ/L(δ は伸び,L は長さ)。フックの法則 σ = Eε(E はヤング率)
- σ,ε,フックの法則から,伸び δ = PL/(EA)
- 1 GPa = 1,000 N/mm2。力は N,長さは mm にそろえる
- 長さ L の棒を u だけ伸ばす力は EAu/L。短い棒ほど,同じ u に大きな力が要る
- 両端固定の棒(つり合いだけでは解けない不静定)では,力は長さの逆比で分かれ,近い壁(短い側)が多く受け持つ
- 熱応力 σ = EαΔT(α は線膨張率,ΔT は温度の変化)。上がると圧縮,下がると引張。長さ・断面積によらない
- 自由な棒は温度が ΔT 上がると αΔTL だけ伸びる
- すき間がある時,応力になるのは「自由な伸び − すき間」だけ。すき間までは自由に伸びるので応力は出ない
解き方
- まず単位をそろえる(N,mm,N/mm2)
例:P = 2.0 kN,L = 2.4 m,A = 120 mm2,E = 200 GPa → δ = 2,000 × 2,400 ÷ (2.0×105 × 120) = 0.20 mm
- 両端固定:力をかけた点が u 動くとして,左右の棒の力 EAu/a と EAu/b を足したものが P と等しい,という式を立てる
- 例:左から L,右から 4L の点に力 P → 力の比は 4:1。左の壁が (4/5)P,右の壁が (1/5)P を受け持つ
- 熱応力:自由な伸びを出し,すき間を引き,残りを押しもどされた長さとして応力(E × 押しもどされた長さ ÷ L)を出す
- 例:E = 2.0×103 MPa,α = 1.0×10−4/K,20 K 上昇 → σ = 2.0×103 × 1.0×10−4 × 20 = 4.0 MPa(圧縮)
- 2本の棒:直角に交わる 30° と 60° の棒なら,軸力は P cos60° = P/2 と P cos30° = √3P/2。急な棒が多く受け持つ
ひっかけ
- GPa を N/mm2 に直し忘れない(桁がずれる)
- 両端固定では,遠い壁(長い側)ではなく,近い壁(短い側)が多く受け持つ
- 熱応力に長さを掛けない。温度が上がったのに引張にしない
- すき間があるのに EαΔT をそのまま使わない。すき間が閉じるかどうかを先に調べる
このテーマの過去問(このサイトに解説がある 4問)
- 令和7年度両端固定の棒に働く力基礎科目 I-3-4解説を読む
- 令和5年度棒の引張りによる伸び基礎科目 I-3-4解説を読む
- 令和4年度2本の棒の軸力の比基礎科目 I-3-4解説を読む
- 令和3年度両端固定棒の熱応力基礎科目 I-3-4解説を読む
平成に出た同じテーマ(6問)
このサイトにはまだ解説がありません。年度と題だけです。
- 平成30年度棒の引張りによる伸び
- 平成29年度2部材トラスの伸びの比
- 平成28年度並列棒の引張応力の比
- 平成27年度両端固定棒の変位
- 平成26年度両端固定棒の反力
- 平成24年度両端固定棒の反力