棒の伸びと不静定 想定問題 3
長さ2.0 mの鋼の棒の左端を壁に固定し,右端と右側の壁との間に0.5 mmのすき間をあけて置いた。棒の温度は一様で応力はない。その後,棒の温度が一様に50 K上がったとき,棒に生じる応力として,最も適切なものはどれか。ただし,鋼のヤング率は200 GPa,線膨張率は1.2×10-5 K-1とし,壁は動かず,棒は曲がらないものとする。
解説
ポイント
すき間のある棒の温度が上がった時の熱応力を,すき間を引いて求める問題です。
考え方と解き方
自由な棒は αΔTL だけ伸びます。すき間の分までは自由に伸びられるので,応力になるのは,すき間をこえた分だけです。
その分が壁に押しもどされるので,圧縮応力になります。
- 自由な伸び:αΔTL = 1.2×10−5 × 50 × 2,000 = 1.2 mm
- すき間 0.5 mm より大きいので,すき間は閉じる。押しもどされる長さは 1.2 − 0.5 = 0.7 mm
- 圧縮ひずみ:0.7 ÷ 2,000 = 3.5×10−4
- 応力:E = 200 GPa = 2.0×105 N/mm2 なので,σ = 2.0×105 × 3.5×10−4 = 70 MPa(圧縮)。答えは ⑤
ほかの選択肢
①:自由な伸び 1.2 mm はすき間 0.5 mm より大きいので,すき間は閉じて応力が出ます。
②(50 MPa の圧縮):すき間 0.5 mm を「押しもどされる長さ」にした値です。押しもどされるのは,すき間をこえた 0.7 mm です。
④(120 MPa の圧縮):すき間がない時の EαΔT の値です。すき間を引いていません。
覚えておくこと
- 自由な棒は温度が ΔT 上がると αΔTL だけ伸びる(テキスト・覚えること)
- すき間がある時,応力になるのは「自由な伸び − すき間」だけ。すき間までは自由に伸びるので応力は出ない(テキスト・覚えること)
- すき間があるのに EαΔT をそのまま使わない。すき間が閉じるかどうかを先に調べる(テキスト・ひっかけ)
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