基礎科目・数学
ヤコビ行列と重積分
6問H24・H28・R1・R5・R6
変数変換のヤコビ行列とその行列式(ヤコビアン)、領域の上での重積分の計算が出ます。
よく出る形
- 連鎖律の式から,ヤコビ行列 [J] の中身を選ぶ
- [J] の行列式(ヤコビアン)を選ぶ
- x=u+v,y=uv のように,具体的な変数変換のヤコビアンを求める
- 四分円や三角形の領域で重積分の値を出す
- 連鎖律・ヤコビアンの問題と,領域での重積分の問題が出る。式や領域は毎回変わる
覚えること
- 連鎖律:∂z/∂r=(∂x/∂r)(∂z/∂x)+(∂y/∂r)(∂z/∂y)。r を動かすと x と y の両方を通して z が変わる
- 式を「左辺=[J]×(縦ベクトル)」の形に並べると,1段目の式の係数がそのまま [J] の1行目になる
- 2行2列の行列式は ad−bc(たすきがけで引く)
- ヤコビアン=(∂x/∂r)(∂y/∂s)−(∂y/∂r)(∂x/∂s)(r,s は変数の名前で,u,v でも同じ)。変数を変えると dxdy=|ヤコビアン|drds
- 偏微分 ∂x/∂u は,v を止めて u だけを動かした時の x の変わり方
- 重積分は,内側の変数から1つずつ積分する(累次積分)。内側を積分する間,外側の変数は定数として扱う
- 極座標 x=r cosθ,y=r sinθ のヤコビアンは r。dxdy=r drdθ。x2+y2=r2
- 半径2の四分円なら,r は 0 から 2,θ は 0 から π/2。円全体なら θ は 0 から 2π
- x=0,y=0,x+y=a で囲む三角形で x+y を積分すると a3/3(大きさを a 倍にすると値は a3 倍)
解き方
例1:x=u+v,y=uv。∂x/∂u=1,∂x/∂v=1,∂y/∂u=v,∂y/∂v=u
- ヤコビアン=1×u−1×v=u−v
- 例2:∬x dxdy,領域 0≦x≦1,0≦y≦√(1−x2)(四分円)。先に y で積分すると x√(1−x2)
- t=1−x2 と置くと ∫01x√(1−x2)dx=(1/2)∫01t1/2dt=(1/2)×(2/3)=1/3
- 例3:x=0,y=0,x+y=2 で囲む三角形で x+y を積分。y で 0 から 2−x まで積分すると 2−x2/2
- x で 0 から 2 まで積分すると 4−8/6=8/3
- 極座標の例:∬(x2+y2)dxdy(半径2の四分円)は r2×r=r3 を積分。r で 0〜2 は 4,θ で 0〜π/2 は 4×π/2=2π
ひっかけ
- [J] の行と列を入れかえた形(転置)にしない。x を r で微分すべき所を,r を x で微分しない
- 行列式を「足す」形にしない(ad+bc ではなく ad−bc)
- π/4 は四分円の面積で,x を掛けた積分の値ではない
- 極座標で,dxdy=drdθ としない(r を掛け忘れない)
- 四分円の θ の範囲を 0〜2π にしない(円全体の値になる)
- 偏微分の係数(2u の 2 など)を落とさない
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- 平成28年度ヤコビアン
- 平成28年度三角形領域の重積分
- 平成24年度ヤコビ行列の行列式