ヤコビ行列と偏微分の連鎖律
解説
ポイント
u の x,y での偏微分を f,g での偏微分から組み立てる連鎖律を,行列の形で書く問題です。
考え方と解き方
x を少し動かすと f と g の両方が変わり,その両方を通して u が変わります。
行列と縦ベクトルの掛け算では,1行目の2つの数と縦ベクトルの2つの数を順に掛けて足したものが1段目になります。
- 連鎖律:∂u/∂x=(∂f/∂x)(∂u/∂f)+(∂g/∂x)(∂u/∂g)
- 同じく:∂u/∂y=(∂f/∂y)(∂u/∂f)+(∂g/∂y)(∂u/∂g)
- 右辺の縦ベクトルは上から ∂u/∂f,∂u/∂g です
- 1段目の式の係数を並べると,[J] の1行目は ∂f/∂x,∂g/∂x
- 2段目の式の係数を並べると,2行目は ∂f/∂y,∂g/∂y
- f,g を x,y で微分した形で,1行目に ∂f/∂x,∂g/∂x が並ぶものを選びます。答えは ④
ほかの選択肢
②(転置):中身の偏微分は同じですが,行と列が入れ替わっています。1段目が (∂f/∂x)(∂u/∂f)+(∂f/∂y)(∂u/∂g) となり,連鎖律と合いません。
①・⑤(x,y を f,g で微分):変換の向きが逆です。u(x,y) から u(f,g) の偏微分を求める時の形です。
覚えておくこと
- 連鎖律:∂u/∂x=(∂f/∂x)(∂u/∂f)+(∂g/∂x)(∂u/∂g)。「x を動かす→f,g が動く→u が動く」の順に掛けて足す
- 行列の形にする時は,1段目の式の係数がそのまま1行目に並ぶ
- ヤコビ行列の中身は「中の変数(f,g)を外の変数(x,y)で微分したもの」
出典:令和6年度 技術士第一次試験 基礎科目 I-3-1(公益社団法人日本技術士会) ジャンル:数学