適性科目・関連する法律
公益通報と内部告発
8問H24・H27・H28・H30・R1再・R2・R5・R7
公益通報者保護法で守られる人・通報先・事業者の義務と、技術者倫理での内部告発の進め方を問う問題です。
よく出る形
- 公益通報者保護法(2022年施行の改正)の,通報の対象・通報先ごとの保護の要件・保護の中身の正誤を選ぶ(最も不適切なもの)
- 第1条(目的)の空欄を埋める。「事業者以外へ通報できる要件」(不利益取扱いのおそれ,証拠隠滅,20日以内の通知など)の正誤もある
- 内部告発・公益通報が許される条件や進め方の正誤(○×の組合せ)
- 定番の記述の1か所を反対にした文が1本まざる。通報先や要件の入れ替えが多い
覚えること
- 目的:公益通報をした人の解雇の無効や不利益な取扱いの禁止などを定め,国民の生命・身体・財産などを守る法令の規定の遵守を図ること
- 通報できる人:労働者(正社員,派遣,アルバイト,パート,公務員も含む),退職後1年以内の退職者,役員
- 通報の対象:すべての法律違反ではない。国民の生命・身体・財産などを守る法律(別表と政令で決まっている)に違反する犯罪行為などの事実
- 通報先は3つ:事業者内部,行政機関,報道機関などその他の外部。外へ行くほど保護の要件が厳しくなる
- 保護の要件:内部は「思料する」だけ。行政機関は「信ずるに足りる相当の理由」(確実な証拠までは求めない),または思料して氏名・住所などを書いた書面を出す場合
- その他の外部へは,「信ずるに足りる相当の理由」に加え,内部に通報すると不利益な扱いを受けるおそれ,証拠隠滅のおそれ,書面で内部に通報して20日たっても調査の通知がない,などの事情が必要
- 保護:解雇は無効。降格・減給などの不利益な取扱いは禁止。通報による損害の賠償を通報者に求めることもできない(第7条)
- 派遣労働者の公益通報を理由とする労働者派遣契約の解除は無効(第4条)
- 事業者の義務:内部通報の体制整備と従事者を定めることは,常時使用する労働者が300人を超えると義務,300人以下は努力義務
- 従事者には守秘義務があり,正当な理由なく通報者を特定させる事項を漏らすと30万円以下の罰金(第12条・第21条)
- 役員:通報を理由とする解任は無効にならないが,解任で生じた損害の賠償を請求できる(第6条)。外部へ通報して守られるには,原則として先に調査是正措置に努めたことが必要(生命・身体への危害が差し迫っている時は例外)
- 通報する者は,他人の正当な利益や公共の利益を害さないよう努める(第10条)
- 権限のない行政機関に通報されたら,権限のある行政機関を教える(教示。第14条)
- 体制整備を怠る事業者には,内閣総理大臣(実務は消費者庁)が報告を求め,助言・指導・勧告ができる。勧告に従わなければ公表できる(第15条・第16条)
- 2025年に公布された改正(2026年12月1日施行):フリーランスの追加,通報を理由とする解雇・懲戒への刑事罰,通報者を探すことの禁止などが加わる予定
- 内部告発の進め方(技術者倫理):重大な危険がある → まず直属の上司に報告 → 社内の手段を尽くす → 公平な第三者を納得させる証拠をそろえる → 外に出せば改善される見込みがある
解き方
- 記述は「誰が」「何を」「どこへ」の3点で確かめる
- 通報先がどこかを見て,その先の保護の要件(思料,相当の理由,追加の事情)に合っているかを確かめる
- 数字の空欄は,退職後1年・20日・300人・30万円を思い出して選ぶ
- 倫理の問題は,「いきなり外部へ」になっていないかを見る
ひっかけ
- その他の外部への通報を,内部と同じ「思料するだけ」にしない
- 行政機関への通報に「確実な証拠」までは求めない
- 従事者の罰金は50万円ではなく30万円(50万円は技術士法の秘密保持義務違反の上限と混同しやすい)
- 「公務員は含まれない」は誤り。公務員も通報できる人に入る
- 「上司が動かなければ即座に外部へ」「証拠がなくても外部へ知らせなければならない」は誤り
このテーマの過去問(このサイトに解説がある 4問)
- 令和7年度公益通報者保護法適性科目 II-13解説を読む
- 令和5年度公益通報者保護法適性科目 II-3解説を読む
- 令和2年度内部告発の進め方適性科目 II-15解説を読む
- 令和元年度(再試験)内部告発が許される条件適性科目 II-5解説を読む
平成に出た同じテーマ(4問)
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- 平成24年度公益通報の外部通報要件
- 平成27年度公益通報者保護法の要件
- 平成28年度公益通報者保護法の目的
- 平成30年度公益通報者保護法