公益通報と内部告発 想定問題 3
公益通報者保護法(2026年10月現在のもの)の,役員の扱いや行政機関・通報者の責務などに関する次の(ア)~(オ)の記述について,正しいものは○,誤っているものは×として,最も適切な組合せはどれか。
(ア)役員が事業者内部への公益通報をしたことを理由に解任された場合,その解任は無効とはされないが,役員は事業者に対して,解任によって生じた損害の賠償を請求することができる。
(イ)役員が行政機関や報道機関などの外部に通報して保護を受けるには,生命・身体への危害が差し迫っている場合などを除き,まず調査是正措置(善良な管理者の注意をもって行う,事実の調査と是正のための措置)をとるよう努めたことが求められる。
(ウ)公益通報をする者は,他人の正当な利益や公共の利益を害することのないよう努めなければならない。
(エ)公益通報を受けた行政機関が,その事実について処分や勧告をする権限をもっていない場合は,その通報を受け付けずに終わらせてよく,ほかの機関を知らせる必要はない。
(オ)事業者が内部通報に対応する体制の整備を怠り,内閣総理大臣の勧告を受けてもこれに従わない場合であっても,そのことが公表されることはない。
アイウエオ
解説
ポイント
役員の扱い,通報する者の努力,行政機関と国の決まりについて,記述の正誤を問う問題です。
考え方と解き方
2022年施行の改正で役員が通報できる人に加わりました。役員は解任そのものは無効にならない点が,労働者とのちがいです。
ア:正しい。役員の解任は無効になりませんが,解任で生じた損害の賠償を請求できます(第6条)。会社が役員をいつでも解任できるしくみのためです。
イ:正しい。役員は会社の中で調査と是正に努める立場なので,外部へ通報する前に調査是正措置に努めたことが求められます。生命・身体への危害が差し迫っている場合は例外です。
ウ:正しい。通報する者は,他人の正当な利益や公共の利益を害さないよう努めます(第10条)。
エ:誤り。権限のない行政機関は,権限のある行政機関を教えなければなりません(教示。第14条)。
オ:誤り。体制整備の勧告に従わない事業者は,その旨を公表できます(第16条)。答えは ア ○,イ ○,ウ ○,エ ×,オ ×
覚えておくこと
- 役員:通報を理由とする解任は無効にならないが,解任で生じた損害の賠償を請求できる(第6条)。外部へ通報して守られるには,原則として先に調査是正措置に努めたことが必要(生命・身体への危害が差し迫っている時は例外)(テキスト・覚えること)
- 通報する者は,他人の正当な利益や公共の利益を害さないよう努める(第10条)(テキスト・覚えること)
- 権限のない行政機関に通報されたら,権限のある行政機関を教える(教示。第14条)(テキスト・覚えること)
- 体制整備を怠る事業者には,内閣総理大臣(実務は消費者庁)が報告を求め,助言・指導・勧告ができる。勧告に従わなければ公表できる(第15条・第16条)(テキスト・覚えること)
類似する過去問:平成27年度 適性科目 II-9、令和7年度 適性科目 II-13、令和5年度 適性科目 II-3
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