適性科目・技術者倫理・リスク
労働安全衛生
7問H23・H30・R1・R3・R6
労働災害の原因、ハインリッヒの法則・4S・SDSなどの用語と、職場のリスクアセスメント指針の中身を問う問題です。
よく出る形
- 労働安全衛生の用語(不安全状態・不安全行動,ハインリッヒの法則,ヒヤリハット,4S,SDS)の正誤
- 厚生労働省のリスクアセスメント指針(実施時期,対象,見積り,低減措置)や,導入の効果の正誤。不適切なものを選ぶ形が多い
- 毎回,正誤の組合せか不適切なものを選ぶ形。数字の入れかえや順番の逆転など,定番の記述の1か所を変えた文が1本まざる
覚えること
- 労働安全衛生法は,危害防止基準の確立,責任体制の明確化,自主的活動の促進の措置などで,職場の安全と健康を守る
- 労働災害の原因:機械や物・環境の「不安全な状態」と,人の「不安全な行動」。多くの災害は両方が重なって起きる
- ハインリッヒの法則:重い災害1件の裏に,軽い災害29件,けがのない事故300件(1:29:300)。その下に数多くの不安全な行動・状態がある
- ヒヤリハット活動:ヒヤッ・ハッとした体験を集める。「情報提供者を責めない」が基本
- 4S=整理・整頓・清掃・清潔(しつけを足すと5S)。整理は要らないものを処分,整頓は要るものを決まった場所にすぐ取り出せるように置く
- KY活動(危険予知):作業前に小人数で危険を話し合って見つけ,対策と行動目標を決め,指差し呼称などで確認する
- SDS(安全データシート):化学物質を渡す(譲渡・提供する)側が,性質・危険有害性・取扱いを相手に伝える文書。通知は労働安全衛生法第57条の2で義務
- リスクアセスメント:危険性・有害性を特定し,けがの重さ(重篤度)と起こる可能性の度合いを組み合わせてリスクを見積もり,優先度を決めて除去・低減し,記録する
- 実施時期:建設物の設置・移転・変更・解体,設備や原材料の新規採用・変更,作業方法・手順の新規採用・変更,その他リスクに変化が生じるおそれのあるとき(設備の劣化や労働者の入れ替わりなど)
- 重篤度の見積りは,最悪の状況を想定した最も重い負傷・疾病の程度で行う
- 有害性が立証されていなくても,一定の根拠があれば,有害性があると仮定して見積もるよう努める
- 実施体制:作業内容を詳しく把握している職長等に,特定・見積り・低減措置の検討を行わせるよう努める
- 低減措置の優先順位:本質的な対策(設計・計画段階で危険をなくす)→工学的対策(インターロック,局所排気装置)→管理的対策(マニュアルの整備など)→個人用保護具。法令で定められた事項は必ず実施する
- 平坦な通路の歩行など,明らかに軽微なものは対象から除いてよい。労働者の疲労などの付加的影響は考慮する
- 負担と効果が著しく不均衡な場合を除き,優先順位の高い措置を実施する。死亡や重い病気のおそれがあり,対策に時間がかかるときは,暫定措置を直ちに講じる
- 導入の効果:リスクが明確になる,認識を共有できる,合理的な優先順位が決まる,残留リスクに対して「守るべき決めごと」の理由が明確になる,全員参加で「危険」に対する感受性が高まる
- 化学物質の自律的な管理(2022年5月公布):物質ごとに法令で措置を細かく定める方式から,リスクアセスメントの結果に基づき事業者が自ら措置を選ぶ方式へ
- 2024年4月施行:リスクアセスメント対象物を扱う事業場は,業種や規模にかかわらず「化学物質管理者」を選任し,技術的事項を管理させる
- 保護具を使用させるときは「保護具着用管理責任者」を選任し,保護具の選択・使用・保守管理を管理させる。「衛生推進者」は小さな事業場の衛生業務の担当で別
- 大臣が定める物を扱う屋内作業場では,ばく露される程度を「濃度基準値」以下にする。「管理濃度」は作業環境測定の評価に使う値で別
- 通知対象物を譲渡・提供する者は,SDSの「人体に及ぼす作用」を5年以内ごとに1回確認する(2023年4月施行)
解き方
- 用語問題は,言葉の一部のすり替えを探す(4Sの「洗浄」「しつけ」,数字の入れかえなど)
- 指針の問題は,「除外してよいもの」と「考慮すべきもの」を取り違えていないかを見る
- 措置の順番は,危険そのものをなくす手が先,人の側で身を守る手が最後と考える
ひっかけ
- ハインリッヒの法則の29と300を入れかえない(軽い災害が29,けがのない事故が300)
- SDSは,受け取った側が作るのではなく,渡す側が相手に知らせる
- 個人用保護具は,すぐできて安いからといって最初にしない。優先順位は最後
- 29の軽傷の要因をなくせば重い災害をなくせる,は×。土台の300件や不安全な行動・状態が的
- 明らかに軽微なものも除外してはならない,は×。除いてよい
- 専門家が分析することで危険の度合いが明確になる,は×。全員参加で感受性が高まる,が正しい
- 作業主任者は特定の作業ごとに置く人で,化学物質管理者とは別
このテーマの過去問(このサイトに解説がある 5問)
- 令和6年度労働安全衛生の基本適性科目 II-7解説を読む
- 令和6年度リスクアセスメント指針適性科目 II-13解説を読む
- 令和3年度労働安全衛生の基礎適性科目 II-12解説を読む
- 令和3年度リスクアセスメントの効果適性科目 II-15解説を読む
- 令和元年度リスクアセスメント指針適性科目 II-11解説を読む
平成に出た同じテーマ(2問)
このサイトにはまだ解説がありません。年度と題だけです。
- 平成30年度労働安全衛生法とリスクアセスメント
- 平成23年度労働安全衛生法のリスクアセスメント