基礎科目・力学
トルクと歯車
3問R4・R5・R6
τ=Iα と「動力=トルク×角速度は変わらない」を使って、円盤の加速や歯車・変速機のトルクを求める問題です。
よく出る形
- 円盤を一定の角加速度で加速するのに必要なトルク
- 減速機を通した時に,モータが出すトルク
- 速度伝達比のある歯車の,出力の回転数とトルク
- 毎回,求めるもの(円盤のトルク,減速機ごしのトルク,出力の回転数とトルク)が変わる。数字だけの入れ替えはほぼない
覚えること
- τ = Iα(τ はトルク,I は慣性モーメント=回しにくさ,α は角加速度)。F = ma の回転版
- α = (ω2 − ω1)/T(角速度の増え方 ÷ 時間)
- 動力 P = τω。効率が 100% なら,入力と出力の動力は同じ
- 回転を 1/n に落とす(減速比 n)と,トルクは n 倍になる
- 効率 η の歯車では,出ていく動力 = η × 入ってくる動力。段を重ねると,減速比も効率もかけ算(2段なら n1n2 と η2)
- 出力トルク = 入力トルク × 減速比 × 全体の効率。出力の回転速度 = 入力の回転速度 ÷ 減速比
- 回転の運動エネルギーは (1/2)Iω2。角速度の2乗に比例する
- 中身の詰まった円盤は I = (1/2)mr2,細い円環は I = mr2(m は質量,r は半径)。質量が軸から遠いほど I は大きい
解き方
- 円盤に必要なトルク τ = I × (ω2 − ω1)/T を出す
- 減速機があれば,モータ側は τ ÷ n でよい(τω が同じだから)。効率があれば,その分を考える
- 例:I = 2 kg・m2 の円盤を 10 rad/s から 30 rad/s まで 4 s で加速,減速比 n = 5 → α = 5 rad/s2,円盤側 τ = 10 N・m,モータ側 10 ÷ 5 = 2 N・m
- 速度伝達比 30 なら,入力が 30 回転する間に出力は 1 回転。出力のトルクは入力の約 30 倍
- 歯車を重ねる問題は,1段ずつ「回転速度 ÷ 減速比」「トルク × 減速比 × 効率」を順に出す
ひっかけ
- I(ω2 − ω1) は角運動量の変化。T で割らないとトルクにならない
- I(ω22 − ω12)/2 はエネルギーで,トルクではない
- 減速するとトルクは小さくなる,と考えない。大きくなる
- 運動エネルギーは角速度に比例しない。2乗に比例する
- 同じ質量・半径なら,慣性モーメントが大きいのは円盤ではなく円環