トルクと歯車 想定問題 1
モータの出力軸に,動力伝達効率が1(損失なし)の減速機をつなぎ,減速機の出力軸に慣性モーメント0.5 kg・m2の円盤を取り付けた。減速機は,入力軸が4回転する間に出力軸が1回転する(減速比4)。この円盤を3秒間で角速度20 rad/sから80 rad/sまで一定の角加速度で増速したい。摩擦と,モータの軸や減速機そのものの回しにくさは考えなくてよいとする。このときモータが出すべきトルクとして,最も適切なものはどれか。
解説
ポイント
減速機を通して円盤を加速する時に,モータが出すトルクを求める問題です。
考え方と解き方
回転の運動方程式 τ = Iα で,円盤の軸で必要なトルクを出します。
効率 1 の減速機では,入る動力と出る動力が等しいので,回転を 1/4 に落とすとトルクは 4 倍です。モータは円盤側の 1/4 でよいことになります。
- 角加速度:α = (80 − 20) ÷ 3 = 20 rad/s2
- 円盤の軸で必要なトルク:τ = 0.5 × 20 = 10 N・m
- モータ軸の角速度を ω とすると,出力軸は ω ÷ 4。動力が等しいので,τモータ × ω = 10 × (ω ÷ 4)
- τモータ = 10 ÷ 4 = 2.5 N・m。答えは ② 2.5 N・m
ほかの選択肢
①(0.625 N・m):10 を 42 = 16 で割った値です。モータ軸の角加速度が 4 倍になる分を掛け忘れています(2乗で割るのは慣性モーメントを軸から見かえる時の話)。
③(10 N・m):円盤の軸で必要なトルクで,減速機の効果が入っていません。
④(40 N・m)・⑤(160 N・m):減速比を逆に使い(増速と考え),4倍や16倍にした値です。
覚えておくこと
- τ = Iα(τ はトルク,I は慣性モーメント=回しにくさ,α は角加速度)。F = ma の回転版(テキスト・覚えること)
- 回転を 1/n に落とす(減速比 n)と,トルクは n 倍になる(テキスト・覚えること)
- 減速機があれば,モータ側は τ ÷ n でよい(τω が同じだから)。効率があれば,その分を考える(テキスト・解き方)
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