基礎科目・科学技術史・政策
科学と技術の先後
2問R1・R5
科学の発見と技術の発明の「どちらが先か」を、年代で確かめる問題です。
よく出る形
- 「〇〇が発見されたのちに△△が始まった」という5つの記述から,順番が逆のものを選ぶ
- 令和元年度と令和5年度は,同じ5つの組(望遠鏡と土星の環,量子力学とトランジスタ,電磁波とレーダー,核分裂と原子力発電,ウイルスと種痘・ワクチン)で出ている
- 同じ5つの組が並び順を変えて出る。誤りは毎回,ウイルスと種痘・ワクチンの組
覚えること
- 望遠鏡の発明(1608年ごろ)→ 土星の環の確認(1655年ごろ,ホイヘンス)。技術が先で,科学の発見があと
- 量子力学の誕生(1920年代)→ トランジスタの発明(1947年,ベル研究所)
- ヘルツの電磁波の確認(1888年)→ レーダーの開発(1930年代)
- ハーンらの核分裂の発見(1938年)→ 原子力発電(1950年代)
- ジェンナーの種痘(1796年)→ ウイルスの発見(1892年,イワノフスキー)。原因が分からないまま,経験から始まった技術の代表例
- 電磁誘導の発見(1831年,ファラデー)→ 発電機の実用化(19世紀後半)
- X線の発見(1895年,レントゲン)→ X線CT(1970年代,ハウンズフィールド)
- DNAの二重らせん構造(1953年,ワトソンとクリック)→ PCR法(1983年,マリス)
- 誘導放出の理論(1910年代,アインシュタイン)→ レーザー(1960年,メイマン)
- 蒸気機関の実用化(1712年ごろ,ニューコメン)→ 熱力学の法則の確立(19世紀なかば)。技術が先の代表例
- 発酵は数千年前から酒やパンづくりに使われ,微生物の働きと分かったのは19世紀のパスツールらの研究から。技術が先の代表例
- 科学が先の例:ペニシリン(発見1928年→大量生産1940年代),超伝導(1911年)→ MRI(1970年代以降),電子(1897年)→ 電子顕微鏡(1930年代),放射能(1896年)→ 放射性炭素の年代測定(1940年代後半,リビー)
- 電磁波:マクスウェルが理論で予言 → ヘルツが1880年代後半に実験で確認 → マルコーニが19世紀末に無線通信を実用化(1901年に大西洋をこえる通信に成功)
- ファラデー=電磁誘導の発見,エジソン=電球や蓄音機などの発明,ベル=電話の発明。周波数の単位ヘルツ(Hz)は,ヘルツの名前
解き方
- それぞれの出来事のおおよその年を並べ,記述の順番と合うかを確かめる
- まず種痘とウイルスの組を見る。過去2回とも,ここが誤りだった
- 「技術が先」の例を選ぶ問題は,昔からの経験で使われてきたもの(発酵,種痘,蒸気機関)を探す
- 人物を選ぶ問題は,理論 → 実験 → 実用化の順に,人物を1人ずつ結びつける
ひっかけ
- ウイルスが発見されたのちに種痘が始まった,としない(令和元年度・令和5年度の正解肢)
- 熱力学の法則が確立されたのちに蒸気機関が実用化された,としない。蒸気機関が先
- 電磁波を理論から予言したのはマクスウェルで,ファラデーではない。ベルは電話の人で,無線通信はマルコーニ