基礎科目・環境
気候変動対策
7問H23・H27・H29・R1再・R3・R4・R7
「緩和」と「適応」の区別と、白書・IPCC報告書に書かれた日本と世界の温暖化対策の中身が出ます。
よく出る形
- 環境白書やIPCC報告書に書かれた気候変動対策の記述から,不適切なものを1つ選ぶ(いちばん多い)
- 白書の文の空欄に,「緩和」「適応」などの語句を入れる(令和元年度再試験)
- 平成ではパリ協定,京都議定書,温対法の記述から,不適切なものを選ぶ
- 定番の記述の1か所を反対にした文が1本まざる
覚えること
- 緩和:温室効果ガスの排出を減らしたり,吸収を増やしたりして,温暖化そのものを抑える対策(省エネ,再生可能エネルギーなど)
- 適応:すでに起きている影響や避けられない影響に備えて,被害を防止・軽減する対策(堤防の強化,暑さに強い品種など)
- 気候変動適応法(2018年):適応のための法律。環境大臣が,おおむね5年ごとに気候変動影響の総合的な評価の報告書を作る
- 気候変動適応法の2023年改正(2024年4月施行):環境大臣が熱中症特別警戒情報を発表。市町村長が指定暑熱避難施設(クーリングシェルター)を指定できる
- Eco-DRR:生態系を活用した防災・減災。湿原や森林を守ることは,適応であり,生物多様性の保全にもなる
- IPCC第6次評価報告書:人間の影響が温暖化させてきたことには「疑う余地がない」。2011〜2020年の世界平均気温は1850〜1900年より約1.1℃高い。2010〜2019年の排出量の年平均は過去のどの10年よりも多い
- 代替フロン(HFCs):オゾン層は壊さないが,温室効果がとても強い。キガリ改正(2016年)で削減の対象になった
- 業務用の冷凍空調機器を廃棄するとき,管理者はフロン類を回収業者へ引き渡す義務がある(フロン排出抑制法)
- 温対法の算定・報告・公表制度:一定量以上を排出する事業者は,毎年度,排出量を算定して国に報告し,国が集計して公表する
- 温対法の基本理念(2021年の改正で追加):2050年までの脱炭素社会の実現
- RE100:使う電力を100%再生可能エネルギーにすることを目指す企業の国際的な取組
- TCFD:企業に気候関連の財務情報の開示をすすめる組織で,金融安定理事会(FSB)がつくった
- ゼロカーボンシティ:2050年に排出実質ゼロを目指すと表明した自治体
- ZEH・ZEB:断熱・省エネと太陽光発電などで,一次エネルギーの収支ゼロを目指す住宅・建物
- ブルーカーボン:海草・海藻など海の生態系が吸収・固定する炭素。日本は海草藻場・海藻藻場の吸収量をすでに国連に報告している
- パリ協定(2015年にCOP21で採択):気温上昇を工業化以前と比べて2℃より十分低く保ち,1.5℃に抑える努力を続ける。途上国を含むすべての国が削減目標(NDC)を5年ごとに出す
- グローバル・ストックテイク:世界全体の進み具合を確かめるしくみ。5年ごとに行い,1回目は2023年
- 日本の削減目標(2013年度比):2030年度46%減,2035年度60%減,2040年度73%減,2050年ネット・ゼロ
- JCM(二国間クレジット制度):日本の技術で途上国の排出を減らし,その分を日本の削減目標の達成に活用する制度
解き方
- まず「緩和」と「適応」の向きを確かめる。「排出を減らす」は緩和,「被害に備える」は適応
- 数字が出たら,覚えた値(気温上昇は約1.1℃など)と比べる。大きすぎる値は誤りを疑う
- 「十分な効果を発揮している」「義務とはされていない」のような強い言い切りは,誤りの候補
- 法律の空欄は,だれが(環境大臣・市町村長)と,いつ(5年ごと)の組で覚えた内容と照らす
ひっかけ
- 適応策の説明に,緩和策の中身(排出の削減)を書かない
- 代替フロンへの転換を「温暖化対策としても十分な効果」としない
- ブルーカーボンを「まだ国連に報告していない」としない。気温上昇を「約3℃」としない(約1.1℃)
- フロン類の引渡しを「管理者の判断に任されている」としない。法律上の義務
- パリ協定の目標提出は先進国だけではなく,すべての国。ストックテイクは10年ごとではなく5年ごと
このテーマの過去問(このサイトに解説がある 4問)
- 令和7年度気候変動への取組(環境白書)基礎科目 I-5-1解説を読む
- 令和4年度IPCC第6次評価報告書基礎科目 I-5-1解説を読む
- 令和3年度気候変動への取組基礎科目 I-5-1解説を読む
- 令和元年度(再試験)気候変動の緩和と適応基礎科目 I-5-1解説を読む
平成に出た同じテーマ(3問)
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- 平成29年度パリ協定の内容
- 平成27年度地球温暖化対策推進法
- 平成23年度温室効果ガスと気候変動の条約