基礎科目・化学・材料
応力・ひずみとヤング率
5問H26・H28・R3・R4・R6
引張試験の公称応力・公称ひずみ、フックの法則 σ=Eε とヤング率、比強度と比剛性の違いが出ます。
よく出る形
- σ=Eε の法則名(フック)と,比例定数の名前(ヤング率),温度による変化を穴埋め(令和3,平成26)
- 引張試験で,荷重と変位を何で割ると何が得られるかを穴埋め(令和4,平成28)
- 材料の用語(比強度など)の正誤を選ぶ(令和6)
- 法則名・係数の名前・何で割るか・弾性と塑性の語句が入れ替わる穴埋めが中心
覚えること
- 応力 σ = 荷重 ÷ 断面積(単位面積あたりの力,単位 Pa)
- ひずみ ε = 伸び ÷ もとの長さ(割合なので単位なし)
- フックの法則:小さな力の範囲では σ=Eε(応力とひずみが比例)。E がヤング率(縦弾性係数)で,大きいほど伸びにくい材料
- ヤング率の目安:鉄鋼約 200 GPa,アルミニウム約 70 GPa,マグネシウム約 45 GPa,タングステン約 400 GPa。温度が上がると小さくなる
- 横弾性係数(剛性率):せん断応力とせん断ひずみの比で,ずれにくさを表す別の係数
- ポアソン比は「横ひずみ ÷ 縦ひずみ」で単位なし(金属で約 0.3)。ブラッグの法則は X 線回折の法則で別物
- 公称応力・公称ひずみ:変形前の断面積・長さで割ったもの。真応力・真ひずみ:その瞬間の寸法で割ったもの
- 引張で断面積が小さくなるので,真応力は公称応力より大きくなる
- 応力−ひずみ曲線の最初の直線部分は弾性変形(力を抜くと元に戻る)。その先が塑性変形(元に戻らず永久ひずみが残る)
- はっきりした降伏点が出ない材料では,0.2%の永久ひずみが残る応力(0.2%耐力)を使う。引張強さは最大荷重を変形前の断面積で割った値
- 比強度 = 引張強さ ÷ 密度。比剛性 = ヤング率 ÷ 密度。軽くて変形しにくい材料ほど比剛性が大きい
解き方
- 「何を何で割るか」を,覚えた定義に当てはめる
- 計算は単位をそろえる(1 mm2=10−6 m2,1 kN=1000 N,1 GPa=109 Pa)
- ヤング率を求める時は,まず σ = 荷重 ÷ 断面積,次に ε = 伸び ÷ 長さ,最後に E = σ ÷ ε
- 数値例:断面積 100 mm2(1.0×10−4 m2)の棒を 20 kN で引くと,σ=20000÷(1.0×10−4)=2.0×108 Pa(200 MPa)
- 数値例(続き):ヤング率 200 GPa なら ε=2.0×108÷(2.0×1011)=1.0×10−3 で,長さ 1 m の棒は 1 mm 伸びる
ひっかけ
- 「比強度はヤング率を密度で割ったもの」は誤り(それは比剛性)
- 最初の直線部分を「塑性」とする選択肢は誤り(弾性)
- ヤング率は温度が上がると「大きく」ではなく「小さく」なる
- ポアソン比は縦÷横ではなく,横÷縦。金属で約 0.3 であり,約 3 ではない
- 弾性変形の範囲なら,荷重を取り除くと永久ひずみは残らない
- mm2 と m2,kN と N,mm と m の取りちがいで,けたがずれる
- 0.2%耐力を引張強さと呼ばない
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- 平成28年度引張試験と公称応力
- 平成26年度フックの法則とヤング率