基礎科目・化学・材料
酸化数と酸化還元
4問H27・R3・R4・R7
決まりにしたがって原子の酸化数を計算し、最大・最小のものを選んだり、酸化還元反応でないものを見分けたりする問題が出ます。
よく出る形
- いくつかの物質で,下線の原子の酸化数が最大(令和7,平成27)・最小(令和4)のものを選ぶ
- 5つの反応式から,酸化還元反応でないものを選ぶ(令和3)
- 毎回,物質や反応が入れ替わる。酸化数が最大のものを選ぶ年(令和7・平成27)と最小のものを選ぶ年(令和4)がある
覚えること
- 酸化数:原子が電子をどれだけ失った(+)か,受け取った(−)かを表す数
- 単体(Na,H2,O2,Cl2,Mn など)の原子は 0
- 化合物の中では H は +1,O は −2,Na は +1,Ca は +2。塩化物の Cl は −1
- 分子では酸化数の合計が 0,イオンでは合計がイオンの電荷と同じ
- よく出る値:H2SO4 の S は +6,MnO4− の Mn は +7,Cr2O72− の Cr は +6,HNO3 の N は +5
- よく出る値(続き):NO2 の N は +4,NH3 の N は −3,H2S の S は −2
- 酸化数が増えると「酸化された」,減ると「還元された」。反応の前後でどこかの酸化数が変われば酸化還元反応
- 酸化剤:相手を酸化する物質で,自分は還元される(酸化数が減る)。還元剤:相手を還元し,自分は酸化される
- 反応式の中で,同じ元素の一部だけが酸化数を変えることもある(MnO2 + 4HCl の HCl は,4個のうち2個の Cl だけが酸化される)
- 酸化還元滴定:還元剤が出した電子の数 = 酸化剤が受け取った電子の数
- MnO4− 1 mol は電子を 5 mol 受け取り(Mn が +7 から +2),H2O2 1 mol は電子を 2 mol 出す。反応は 2:5
解き方
- 求めたい原子の酸化数を x とおく
- ほかの原子の酸化数と個数をかけて足し,合計が 0(イオンなら電荷)になる式を立てる
- 求めたい原子が2個以上あるときは,最後に個数で割る。数値例:Cr2O72− は 2x+7×(−2)=−2 → 2x=12 → x=+6
- 単体が出てくる・消える反応は,たいてい酸化還元反応。イオンの組合せを入れかえるだけの反応(中和,複分解)は酸化還元反応ではない
- 例:2NaCl + CaCO3 → Na2CO3 + CaCl2 は複分解で,酸化数は変わらない
- 滴定は,物質量(濃度 × 体積)に1個あたりの電子の数をかけて,出す電子と受け取る電子を等しいとおく
- 数値例:H2O2 は 0.050 × 0.0160 × 2 = 1.6×10−3 mol の電子。KMnO4 は 1.6×10−3 ÷ 5 = 3.2×10−4 mol で,0.040 mol/L なら 8.0 mL
ひっかけ
- Cr2O72− で2で割り忘れると,+12 になってしまう
- イオンの式では,合計を 0 ではなく電荷(−1 や −2)にする
- O が1つ減ると,ほかの原子の酸化数は2小さくなる(HNO3 は +5,HNO2 は +3)
- 酸化数が減るのは「還元」。「酸化」と取りちがえない
- HCl は酸化された側(還元剤)で,酸化剤ではない。酸化剤は MnO2
- 電子の数の比を逆(5:2)にしない。濃度を入れ替えて計算しない
このテーマの過去問(このサイトに解説がある 3問)
平成に出た同じテーマ(1問)
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- 平成27年度酸化数