基礎科目・化学・材料
酸と塩基の強さ
6問H23・H25・H30・R1再・R4・R7
塩酸・酢酸・炭酸・フェノールなどの酸の強さの順、同じ濃度でも強酸と弱酸で pH が違うこと、気体が出る反応が出ます。
よく出る形
- いくつかの酸を,強い順に並べる(令和元年度再試験)
- 酸・塩基についての5つの記述から,誤りを1つ選ぶ(令和4,平成30,平成23はほぼ同じ選択肢)
- 2つの水溶液を混ぜたときに酸性になる組合せを選ぶ(平成25)
- 2つの酸の酸性度の大小を述べた記述の正しい組合せを選ぶ(令和7)
- 酸の強さの順や,強酸と弱酸のちがいが中心。酸・塩基の名前や記述が入れ替わって出る
覚えること
- 酸の強さは「水の中で H+ をどれだけ出すか」で決まる
- 強い順:塩酸 > トリフルオロ酢酸 > クロロ酢酸 > フッ化水素酸 > 安息香酸 > 酢酸 > 炭酸 > フェノール > エタノール
- 強酸(塩酸・硫酸・硝酸)は水中でほぼ全部が電離する。弱酸(酢酸など)は一部しか電離しない
- 同じ 0.1 mol/L でも,塩酸は pH 約1,酢酸は pH 約2.9。pH は同じにならない
- 強塩基:水酸化ナトリウム,水酸化カリウム,水酸化カルシウム,水酸化バリウム。アンモニアは弱塩基
- 電離定数 Ka が大きいほど電離しやすく,強い酸
- Cl のように電子を引きつける原子が近くにあると,H+ を放した後の陰イオンが安定になり,酸が強くなる
- フッ化水素 HF はハロゲン化水素なのに弱酸(H と F の結びつきが強いため)。HCl より弱い
- 「弱酸の塩 + 強酸 → 弱酸が出る」:炭酸カルシウム + 塩酸で CO2 が出る。逆向き(弱い酸で強い酸を追い出す)は起きない
- カルボン酸(酢酸・安息香酸)は炭酸より強く,炭酸水素ナトリウムから CO2 を出す。フェノールは炭酸より弱く,出さない
- ナトリウムフェノキシド水溶液に CO2 を通すと,弱酸のフェノールが出てくる
- 「弱塩基の塩 + 強塩基 → 弱塩基が出る」:塩化アンモニウム + 水酸化カルシウムを加熱するとアンモニアが出る
- ちょうど中和したとき,強酸 + 弱塩基の塩は酸性,弱酸 + 強塩基の塩は塩基性
- pH = −log10[H+]([H+]は水素イオンのモル濃度)。[H+]が10倍になるごとに pH は1小さくなる
- [H+]= 酸の濃度 × 電離度。強酸(1価)は電離度1なので,濃度がそのまま[H+]になる
解き方
- まず,選択肢の物質が「強酸・弱酸・強塩基・弱塩基」のどれかを分ける
- 並べる問題は,強さの順に当てはめる
- 「強酸と弱酸を同じに扱う」記述(同じ濃度なら同じ pH など)を疑う
- 追い出し反応は,酸の強さの順で向きが決まる。強い酸が弱い酸の塩に出会うと,弱い酸が出る
- 数値例:0.050 mol/L・電離度0.020 なら[H+]= 1.0×10−3,pH = 3.0。電離度1なら 5.0×10−2,pH = 2 − log105 = 2 − 0.70 = 1.3
ひっかけ
- フェノールはエタノールより酸性が強い(「低い」とあれば誤り)
- F が付いた酢酸(トリフルオロ酢酸)は,ふつうの酢酸より強い酸
- 炭酸は酢酸より弱い。酢酸ナトリウムに CO2 を吹き込んでも酢酸は出ない
- ちょうど中和した水溶液は,いつも中性とは限らない(酢酸と水酸化ナトリウムなら塩基性)
- 強酸と弱酸を,同じ濃度だから同じ pH としない。弱酸は一部しか電離しない
このテーマの過去問(このサイトに解説がある 3問)
平成に出た同じテーマ(3問)
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- 平成30年度酸と塩基の性質
- 平成25年度混合水溶液の液性
- 平成23年度酸・塩基の性質