酸と塩基の強さ 想定問題 2
次の(ア)~(エ)は,酸の電離のしやすさと,それを使った反応について述べたものである。正誤の組合せとして,最も適切なものはどれか。
(ア)酢酸のメチル基(−CH3)の水素原子1個を塩素原子に置きかえると,電離しやすくなり,電離定数Kaは大きくなる。
(イ)HCl,HBr,HIはいずれも強酸であり,同じ濃度であればフッ化水素酸の水溶液もこれらとほぼ同じpHを示す。
(ウ)フェノールは炭酸より弱い酸なので,ナトリウムフェノキシドの水溶液に二酸化炭素を通じるとフェノールが遊離する。
(エ)安息香酸C6H5COOHは炭酸より弱い酸なので,炭酸水素ナトリウム水溶液に加えても二酸化炭素は発生しない。
アイウエ
解説
ポイント
酸の電離のしやすさと,弱い酸の追い出し反応についての記述の正誤を問う問題です。
考え方と解き方
電離定数 Ka が大きいほど強い酸です。強さの順から,追い出し反応が起きるかどうかが決まります。
ア:正しい。Cl が電子を引きつけ,H+ を放した後の陰イオンが安定になります。クロロ酢酸は酢酸より電離しやすく,Ka は大きくなります。
イ:誤り。フッ化水素酸は弱酸で,一部しか電離しません。同じ濃度なら,強酸の HCl,HBr,HI より H+ が少なく,pH は大きくなります。
ウ:正しい。フェノールは炭酸より弱い酸です。弱い酸の塩(ナトリウムフェノキシド)に,より強い炭酸(CO2)を加えると,フェノールが出てきます。
エ:誤り。安息香酸はカルボン酸で,炭酸より強い酸です。炭酸水素ナトリウムに加えると,弱い炭酸が追い出されて CO2 が発生します。答えは ア ○,イ ×,ウ ○,エ ×
覚えておくこと
- Cl のように電子を引きつける原子が近くにあると,H+ を放した後の陰イオンが安定になり,酸が強くなる(テキスト・覚えること)
- フッ化水素 HF はハロゲン化水素なのに弱酸(H と F の結びつきが強いため)。HCl より弱い(テキスト・覚えること)
- カルボン酸(酢酸・安息香酸)は炭酸より強く,炭酸水素ナトリウムから CO2 を出す。フェノールは炭酸より弱く,出さない(テキスト・覚えること)
- ナトリウムフェノキシド水溶液に CO2 を通すと,弱酸のフェノールが出てくる(テキスト・覚えること)
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