酸の強さ(酸性度)
解説
ポイント
4組の物質のどちらが強い酸かを判断し,正しい記述の組合せを選ぶ問題です。
考え方と解き方
酸の強さは,H+ を放したあとに残る陰イオンが安定なほど強くなります。
電子を強く引く原子(F など)やベンゼン環が近くにあると,陰イオンが安定になります。
ア:誤り。HF は H と F の結びつきが強く,水中で H+ をあまり放さない弱酸です。HCl は強酸です。
イ:正しい。トリフルオロ酢酸は酢酸の H 3つを F に置きかえたもので,F が電子を引いて陰イオンを安定にするので,酢酸よりずっと強い酸です。
ウ:正しい。エタノールは水と同じくらいのごく弱い酸性しかなく,カルボン酸の酢酸より弱いです。
エ:誤り。フェノールは陰イオンのマイナスがベンゼン環に広がって安定するので,エタノールより酸性度が高いです。
- 正しいのはイとウ。答えは ③ イ,ウ
ほかの選択肢
①・②(アを正):「ハロゲン化水素だから強酸」と思いがちですが,HF だけは例外の弱酸です。
覚えておくこと
- 酸の強さのおおまかな順:塩酸 > トリフルオロ酢酸 > 酢酸 > フェノール > エタノール
- HF はハロゲン化水素の中で例外的に弱酸(H−F の結びつきが強い)
- F など電子を引く原子が近くにあると,陰イオンが安定になり酸は強くなる
- フェノールは弱いながら酸性を示す。アルコール(エタノール)はほぼ中性
出典:令和7年度 技術士第一次試験 基礎科目 I-4-2(公益社団法人日本技術士会) ジャンル:化学・材料