基礎科目・生物
PCRと遺伝子組換え
4問H29・R1再・R2・R5
PCR の3段階(熱変性・アニーリング・伸長)のしくみと耐熱性ポリメラーゼ、cDNA ライブラリー、制限酵素、電気泳動の向きが出ます。
よく出る形
- PCR法の3段階(熱変性・アニーリング・伸長)についての記述から,正しいものを選ぶ
- PCR で増える倍数(2n)についての記述の正誤
- ゲノム/cDNA ライブラリー,制限酵素で切った断片の長さ,電気泳動の向きについての記述の正誤
- 毎回,定番の記述の1か所を反対にした文がまざる
覚えること
- PCR は DNA を大量にコピーする方法で,次の3段階をくり返す
- 熱変性(約95℃):2本鎖の間の水素結合を切って,1本ずつにほどく
- アニーリング(約55〜65℃):増やしたい部分の両端に合う短い DNA(プライマー)をくっつける
- 伸長(約72℃):DNA ポリメラーゼがプライマーの先に塩基をつないで,新しい鎖を作る
- 毎回高温になるので,耐熱性の高い DNA ポリメラーゼ(好熱菌の Taq ポリメラーゼなど)を使う
- 増えた DNA の両端には,プライマーの配列が入る。増やしたい配列が長いほど,伸長の時間を長くする
- 1回で約2倍,n 回で 2n 倍。210 ≒ 1000,220 ≒ 100万,230 ≒ 10億
- ゲノムライブラリーはその生物の DNA 全部,cDNA ライブラリーはその組織で働いている遺伝子(mRNA)だけを集めたもの
- 制限酵素:決まった配列で DNA を切る「はさみ」。6塩基を見分ける酵素で切ると,断片は平均で約 46 = 4096 塩基対(長さはばらばら)
- EcoRI は6塩基 GAATTC を見分け,2本の鎖をずらして切る。切り口は1本鎖が突き出た付着末端
- DNA リガーゼ:切れた DNA の端どうしをホスホジエステル結合でつなぐ「のり」
- 逆転写酵素:mRNA を鋳型にして,相補的な DNA(cDNA)を合成する
- 電気泳動:DNA は負の電気を帯びているので陽極(+極)へ動く。ゲルの網目の中で,短い断片ほど速く進む
解き方
- それぞれの記述が3段階のどれの話かを決めて,温度・結合・向きが合っているかを確かめる
- 回数の計算は「もとの数 × 2n ≧ 目標」を立て,210 ≒ 1000 を使って n を見つける
- 例:30回くり返すと 230 ≒ 10億倍になる(30倍ではない)
ひっかけ
- アニーリングの温度を下げすぎると,目的外の場所にもくっつく(非特異的)
- 熱変性で切れるのは水素結合で,共有結合ではない
- 「耐熱性の低いポリメラーゼが適している」は誤り
- 電気泳動で,長い断片ほど速いのではなく,短い断片ほど速い。DNA は陰極ではなく陽極へ動く
- EcoRI の切り口は,平滑末端ではなく付着末端
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- 平成29年度遺伝子組換え技術