PCR法の3段階
解説
ポイント
PCR 法の3つの段階(熱変性・アニーリング・伸長)のしくみについて,正しい記述を選ぶ問題です。
考え方と解き方
PCR は約 95℃ で2本鎖をほどき,約 55〜65℃ でプライマーをつけ,約 72℃ で酵素がのばす,をくり返します。
毎回 95℃ 近くまで加熱するので,熱で壊れない酵素が要ります。
①:2本の鎖をつないでいるのは水素結合で,共有結合ではありません。
②:非特異的なアニーリングが起きやすいのは温度を下げすぎた時です。上げすぎると,くっつきにくくなります。
③:長い配列ほどコピーに時間がかかるので,伸長時間は長くします。
④:高温のサイクルに耐える酵素(好熱菌由来の Taq ポリメラーゼなど)が PCR に向いています。正しい記述です。
⑤:プライマーは増やした DNA の両端にそのまま取りこまれるので,その配列はふくまれます。答えは ④
ほかの選択肢
②(温度を上げすぎ):「上げすぎ」と「下げすぎ」を入れかえたひっかけです。温度が低いほど,似た場所にもゆるくくっつきます。
覚えておくこと
- PCR:熱変性(約 95℃)→アニーリング(約 55〜65℃)→伸長(約 72℃)のくり返し。1回で DNA が理想的には2倍
- 2本鎖 DNA をつなぐのは塩基どうしの水素結合。熱でほどける
- 耐熱性 DNA ポリメラーゼ(Taq)を使うので,毎回酵素を足さなくてよい
出典:令和2年度 技術士第一次試験 基礎科目 I-4-6(公益社団法人日本技術士会) ジャンル:生物