製造物責任法(PL法) 想定問題 2
次の(ア)~(ク)の事故のうち,製造物責任法(PL法)による損害賠償責任の対象となるものの数はどれか。なお,いずれの事例も請求できる期間内であり,事故の原因は記述のとおりとする。
(ア)家電メーカーに製造を委託し,製造元の表示はせず,自社の名前とブランドだけを付けて販売したホットプレートについて,製造時に生じた配線の欠陥から火が出て,台所の家具が焼けた場合。
(イ)山で自生していたきのこを採ってきて,そのまま直売所で販売したところ,購入者が食中毒になった場合。
(ウ)そのままでは使えなくなった使用済みのトナーカートリッジを分解し,その部品を使って新たに組み立てた再生品について,組立て時の欠陥から複合機が発火し,事務所の壁が焦げた場合。
(エ)購入した電気ストーブが,製造時の欠陥により使用中に故障したが,壊れたのはストーブ本体だけで,人や周りの物には被害がなかった場合。
(オ)商社が海外から輸入して販売した電動のこぎりについて,海外の工場での製造時の欠陥により刃が外れ,使用者がけがをした場合。
(カ)工務店が建てた住宅で,敷地の盛り土の締め固めが足りなかったために家が傾き,ドアが開かなくなった場合。
(キ)工場での製造時に異物が混じった目薬を使った人が,目に傷を負った場合。
(ク)自動車整備工場で定期点検を受けた車について,整備士の調整ミスによりブレーキが効かず,運転者がけがをした場合。
解説
ポイント
事例ごとにPL法の対象になるかを判断し,対象になるものの数を数える問題です。
考え方と解き方
製造物か,責任を負う者か,被害が製品そのものだけでないか,の3点を順に確かめます。「対象になるもの」を数える問題なので,取り違えないようにします。
- ホットプレート:自社の名前とブランドだけで売った者は表示製造業者。家具に被害が出ている。対象
- 自生のきのこ:製造も加工もされていない林産物。対象外
- 再生品のトナーカートリッジ:部品から新たに組み立てた動産で,複合機と壁に被害。対象
- 電気ストーブ:壊れたのが本体だけ。対象外(第3条ただし書き)
- 電動のこぎり:輸入した者は製造業者等で,けがの被害がある。対象
- 住宅と敷地の盛り土:不動産。対象外
- 目薬:製造された動産で,異物混入は製造時の欠陥。対象
- 自動車の整備ミス:点検・整備というサービス。対象外
- 対象は,ホットプレート・再生品・電動のこぎり・目薬の4つ。答えは ③ 4
ほかの選択肢
①(2)・②(3):ブランドだけ付けた販売者や,再生品を対象外と考えた数です。どちらも対象に入ります。
④(5)・⑤(6):本体だけの故障や,整備ミスを対象に入れた数です。製品そのものだけの被害と,サービスは対象外です。
覚えておくこと
- 対象外:不動産,電気,ソフトウエア単体などの無体物,加工していない農林水産物,修理・保守点検などのサービス(テキスト・覚えること)
- 対象:医薬品,健康食品,再生品,輸入品,ソフトウエアを組み込んだ機械(ソフトの不具合が製品の欠陥とされることがある)(テキスト・覚えること)
- 製造業者等:製造・加工した者,輸入した者,製造業者として自分の名前やブランドを表示した者(OEMの販売者も含みうる),実質的な製造業者と認められる表示をした者(テキスト・覚えること)
- 被害がその製造物だけにとどまった場合は対象外(第3条ただし書き)(テキスト・覚えること)
類似する過去問:令和4年度 適性科目 II-11、令和元年度 適性科目 II-3、令和6年度 適性科目 II-14
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