基礎科目・科学技術史・政策
産業革命の技術
3問H24・H29・R6
18世紀後半のイギリス産業革命で、新技術を誰がどう生み出し、社会に何をもたらしたかが出ます。
よく出る形
- 産業革命期の技術発展についての5つの記述から,不適切なものを1つ選ぶ
- ほぼ同じ文(改良の積み重ね,担い手,からくり人形,大工場化,労働問題)が何度も出て,1か所だけ反対になる
覚えること
- 新技術の多くは,既存の技術を改良して生まれた。例:ワットの蒸気機関は,ニューコメンの機関の改良
- 担い手は職人・技術者・企業家。例:ワット(計器職人),アークライト(理髪師出身の企業家),ハーグリーブス(織工)
- 大学の研究と産業が組織的に結びつく「産学協同」が本格化するのは,19世紀後半のドイツの化学工業などから
- からくり人形などの娯楽の仕掛けが,織機の自動化に生かされた例:ヴォーカンソンの自動人形,パンチカードで模様を制御するジャカード織機
- 手作業の作業場(マニュファクチュア)が,機械を備えた大工場(工場制機械工業)に置き換わった
- 機械や工場が増え,材料の鉄と燃料の石炭の需要が大きくなった。製鉄業や炭鉱業も大きくなった
- 蒸気機関車による鉄道や蒸気船(スティーブンソンは蒸気機関車を実用化)が19世紀前半に広まり,輸送が速く大量になった
- 機械化で熟練がいらなくなり,賃金の安い女性や子どもが工場で多く雇われた。長時間労働や児童労働が社会問題になった
- 1833年の工場法:繊維工場で9歳未満の子どもを働かせることを禁じ,子どもの労働時間を制限し,工場監督官を置いた
- 綿工業の流れ:ケイの飛び杼(18世紀前半)で織る速さが上がり,糸が足りなくなって紡績機が生まれた
- ハーグリーブス=ジェニー紡績機,アークライト=水力紡績機,クロンプトン=ミュール紡績機,カートライト=力織機
- 製鉄:1709年にダービーがコークスで鉄をつくることに成功し,木炭の不足に左右されずに鉄を増やす道が開かれた
- 産業革命は18世紀後半のイギリスで始まり,ベルギー・フランス・ドイツ・アメリカ・日本などへ広がった
- 19世紀後半からの電気・化学・鉄鋼などの技術革新は「第二次産業革命」とよばれる。科学の研究と産業の結びつきも強まった
解き方
- 「誰が担い手だったか」を確かめる。「大学研究者が主導」「産学協同の好例」とあれば誤り
- 改良の積み重ね,娯楽からの転用,大工場化,労働問題は,正しい文として毎回出る。この向きが反対になっていないかを見る
- 人物と発明の組合せは,ケイ → ジェニー → 水力 → ミュール → 力織機の流れで,名前を発明に結びつける
ひっかけ
- 新技術の開発を,大学研究者が主導したとしない(令和6年度の正解肢は「産学協同の好例」)
- 機械化で児童労働が姿を消したとしない。むしろ安い働き手として子どもが雇われ,社会問題になった
- ミュール紡績機はクロンプトン,ジェニー紡績機はハーグリーブス。入れかえない
- 産業革命は,フランスからイギリスへ伝わったのではなく,イギリスから広がった
- 関連:日本では,テイラーの科学的管理法は戦前,統計的品質管理は戦後に本格的に入った(令和2年度)
このテーマの過去問(このサイトに解説がある 1問)
- 令和6年度産業革命期の技術発展基礎科目 I-5-5解説を読む
平成に出た同じテーマ(2問)
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- 平成29年度産業革命期の技術発展
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