適性科目・技術者倫理・リスク
倫理の考え方とテスト
7問H25・H27・H29・R4・R5・R7
功利主義と個人尊重主義、黄金律、エシックス・テストの名前、倫理的な判断を妨げる要因を問う問題です。
よく出る形
- 功利主義・個人尊重主義・黄金律・権利のレベルの文章の空欄補充
- エシックス・テストの名前の組合せ,倫理的な行動を妨げる要因の数を数える問題
- 功利主義・義務論・正義論など,倫理学の考え方の記述の正誤
- 毎回,空欄補充か正誤の形。定番の記述の1か所を反対にした文(例:唯一正しい倫理原理がある)が1本まざる
覚えること
- 功利主義:ベンサムやミルの考え方。結果として生まれる幸福の合計で判断し,「最大多数の最大幸福」をめざす。特定の個人に不利益が出ることがある
- 個人尊重主義:個人の権利をできる限り尊重する。功利主義で個人が犠牲になるとき対立する
- 黄金律:「自分がしてほしいことを人にせよ」「自分がされたくないことを人にするな」。「人からされたことを人に返せ」は仕返しの考え方で別
- 黄金律テストで許容できても,次に「相手の価値観ではどうか」を考える
- 権利のレベル:生活を維持する権利は生活を改善する権利に優先し,安全と健康に関する権利は最優先
- エシックス・テスト:普遍化可能性テスト(みんながやったら),可逆性テスト=黄金律テスト(立場を入れかえたら),危害テスト(誰かに害はないか,ほかの案より害が少ないか)
- エシックス・テスト:美徳テスト(くり返したら自分はどんな人間になるか),世評テスト(新聞に載ったら),専門家テスト(専門家や倫理綱領から見てどうか)
- 倫理的な判断を妨げる要因:私利私欲,恐れ,自己欺瞞,無知,自己中心的志向,微視的視野,権威の無批判な受け入れ,集団思考
- 義務論(カント):結果より,誰もが従うべき義務にかなうかを重んじる。人を単に手段としてのみ扱ってはならない
- 正義論(ロールズ):自分の立場を知らない「無知のヴェール」の下で人々が選ぶはずの原理として正義の原理を示し,最も恵まれない人の利益にも配慮する
- 徳倫理(アリストテレスにさかのぼる):規則よりも,誠実さや勇気などのよい人柄(徳)をもつ人ならどう行動するかを問う
- ベンサムは快楽を量で測った。ミルは快楽には質の高い低いもあると考えた
- セブン・ステップ・ガイド(マイケル・デイビス):問題の明確化 → 事実の確認 → 関係する要因 → 行動の選択肢 → 選択肢のテスト → 選択 → 振り返り
解き方
- テスト名は,説明の中の言葉(「みんな」「立場」「くり返す」「報道」「害」「倫理綱領」)から当てる
- 妨げる要因を数える問題は,どれも判断をゆがめるものなら全部当てはまることもある
- 倫理学の記述は,人名と考え方の組合せ(カント=義務,ロールズ=無知のヴェール,ミル=質)を確かめる
ひっかけ
- 唯一正しい倫理原理があることが共通の見解,は×。いくつかの原理を組み合わせて考える
- 権利は「維持」が「改善」より先。向きを逆にしない
- 功利主義を唱えたのはカントではなくベンサムやミル。カントは義務論
- 功利主義と対立するのは,帰結主義ではなく個人尊重主義
- 立場の入れかえは可逆性,みんながやったらは普遍化可能性。入れかえない
- ミルは快楽の質の違いを否定していない。量だけで比べたのはベンサム
このテーマの過去問(このサイトに解説がある 3問)
平成に出た同じテーマ(4問)
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- 平成25年度義務論・功利主義・正義論
- 平成27年度倫理原理(功利主義など)
- 平成29年度功利主義と個人尊重主義
- 平成29年度倫理的意思決定の促進要因と阻害要因