倫理の考え方とテスト 想定問題 1
次の文章は,技術者が倫理的な問題で判断に迷うときに使われる考え方を説明したものである。【ア】~【オ】に入る語句の組合せとして,最も適切なものはどれか。
倫理的な問題では,一つの考え方だけで答えを出すのではなく,いくつかの考え方を組み合わせて検討する。その前提として,権利にはレベルがあることを知っておく。【ア】権利は【イ】権利よりも優先され,安全や健康に関する権利は最も優先されなければならない。
選択肢を比べる方法の一つが功利主義である。これは18世紀末から19世紀にかけてイギリスの【ウ】やミルらが唱えた考え方で,行為のよしあしを結果として生まれる幸福の大きさで判断し,「最大多数の最大幸福」をもたらす選択を最もよいものとする。ただし,全体の幸福が大きくなっても,少数の人に負担や犠牲が集中することがある。そのため,一人ひとりの権利をできる限り尊重すべきだとする【エ】の立場とは対立することがある。
ある人に負担をかける選択をするときには,黄金律テストで,自分がその負担を受ける側になっても受け入れられるかを確かめる。黄金律とは,「自分がしてほしいことを人にせよ」あるいは「【オ】」という教えである。
アイウエオ
解説
ポイント
権利のレベル,功利主義,個人尊重主義,黄金律という,倫理の考え方の基本を問う問題です。
考え方と解き方
権利の優先順位の向きと,提唱者の名前がねらわれます。
ア:先に来るのは,今の生活を守る「生活を維持する」権利です。
イ:あとに来るのは「生活を改善する」権利です。維持する権利のほうが優先されるので,向きを逆にしないよう注意します。
ウ:功利主義を唱えたのは,ミルとあわせて「ベンサム」です。カントは,結果より義務を重んじる義務論の哲学者です。
エ:功利主義と対立し,個人の権利をできる限り尊重するのは「個人尊重主義」です。「帰結主義」は結果で評価する立場で,功利主義はむしろその代表です。
オ:「自分がしてほしいことを人にせよ」と対になるのは「自分がされたくないことを人にするな」です。「人からされたことを人に返せ」は仕返しの考え方で,黄金律ではありません。答えは ア 生活を維持する,イ 生活を改善する,ウ ベンサム,エ 個人尊重主義,オ 自分がされたくないことを人にするな
覚えておくこと
- 功利主義:ベンサムやミルの考え方。結果として生まれる幸福の合計で判断し,「最大多数の最大幸福」をめざす。特定の個人に不利益が出ることがある(テキスト・覚えること)
- 個人尊重主義:個人の権利をできる限り尊重する。功利主義で個人が犠牲になるとき対立する(テキスト・覚えること)
- 黄金律:「自分がしてほしいことを人にせよ」「自分がされたくないことを人にするな」。「人からされたことを人に返せ」は仕返しの考え方で別(テキスト・覚えること)
- 権利のレベル:生活を維持する権利は生活を改善する権利に優先し,安全と健康に関する権利は最優先(テキスト・覚えること)
類似する過去問:令和4年度 適性科目 II-7、平成29年度 適性科目 II-13
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