数値解析の誤差と精度 想定問題 2
数値解析の精度を上げることを目的として行った次の対応(ア)~(エ)について,目的に合う適切なものを○,適切でないものを×としたとき,その組合せとして最も適切なものはどれか。
(ア)ニュートン法の反復計算に時間がかかるので,収束を判定するしきい値εを大きくして,早めに反復を打ち切るようにした。
(イ)有限要素法で板の応力を求めるとき,応力が集中する穴のまわりの要素をほかの所より細かく分割した。
(ウ)温度が時間とともに変わる様子を差分法で時間を追って解くとき,時間刻みΔtを小さくして計算した。
(エ)有限要素法の要素分割の手間をはぶくため,細長くつぶれた形の要素が多く混じった分割をそのまま使った。
アイウエ
解説
ポイント
数値解析の精度を上げる対応と,下げてしまう対応を見分け,○×の組合せで答える問題です。
考え方と解き方
空間の分割も時間刻みも「細かく」すると精度が上がる側です。判定をゆるめること,粗くすること,ゆがんだ要素を使うことは,精度が下がる側です。
ア:×。しきい値ε を大きくすると,収束判定がゆるくなって早く止まります。時間は短くなりますが,精度は下がります。
イ:○。応力が急に変わる穴のまわりを細かく分けると,変化を正しく表せます。
ウ:○。時間刻みΔt を小さくすると,打切り誤差が小さくなります。計算回数は増えますが,精度は上がります。
エ:×。細長くつぶれた要素は誤差が大きくなる原因です。手間ははぶけても精度は下がります。答えは ア ×,イ ○,ウ ○,エ ×
覚えておくこと
- 反復計算の収束判定のしきい値ε:大きくすると早く止まるが,答えは粗くなる(精度は下がる)(テキスト・覚えること)
- 有限要素法:応力が集中する所など変化の大きい所を細かく分け,要素の形は整える。ゆがんだ要素は誤差の原因(テキスト・覚えること)
- 離散化誤差(打切り誤差):細かいマス目や要素に分けて近似するための誤差。格子幅や要素,時間刻みΔtを小さくすると小さくなる(テキスト・覚えること)
- 収束判定のしきい値を大きくして精度が上がる,としない(早く止まるだけ)(テキスト・ひっかけ)
類似する過去問:令和4年度 基礎科目 I-3-3、令和元年度(再試験) 基礎科目 I-3-3、平成29年度 基礎科目 I-3-3
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