営業秘密と漏えい対策 想定問題 3
不正競争防止法による営業秘密の保護(民事上の措置,刑事罰)に関する次の記述のうち,最も適切なものはどれか。
解説
ポイント
営業秘密が侵害された時に,企業が何を請求できるか(民事)と,侵害した人にどんな罰があるか(刑事)を問う問題です。
考え方と解き方
民事は差止めと損害賠償,刑事は拘禁刑・罰金です。親告罪かどうかと,海外使用目的の重さがひっかけです。
①:営業秘密侵害罪は親告罪ではなく,告訴がなくても公訴を提起できる。誤り
②:だます・不正アクセスなどで取得した場合は,10年以下の拘禁刑若しくは2000万円以下の罰金,又は併科(第21条第1項)。正しい
③:損害賠償だけでなく,侵害の停止・予防(差止め)も請求できる(第3条)。誤り
④:秘密保持契約がないだけでは,直ちに秘密管理性は失われない。誤り
⑤:海外で使う目的は,罰金の上限が3000万円で,国内の2000万円より重い(第21条第4項)。誤り。正しいのは ② だけで,答えは ②
ほかの選択肢
①:告訴が要る罪は,秘密保持命令違反の罪だけです。営業秘密侵害罪とまちがえやすい所です。
④:秘密保持契約は,秘密管理の手段の1つにすぎません。契約がなくても,表示やアクセス制限などで秘密と分かる状態なら,秘密管理性は保たれます。
覚えておくこと
- 民事:差止め(侵害の停止・予防,第3条)と損害賠償(第4条)の両方を請求できる(テキスト・覚えること)
- 刑事:営業秘密侵害罪は,10年以下の拘禁刑若しくは2000万円以下の罰金,又はその両方(第21条第1項)。日本国外で使う目的は,罰金の上限が3000万円(第21条第4項)(テキスト・覚えること)
- 営業秘密侵害罪は親告罪ではなく,告訴がなくても公訴を提起できる。告訴が要るのは,秘密保持命令違反の罪だけ(第21条第7項)(テキスト・覚えること)
- 秘密保持契約を結ばずに相手に見せても,直ちには秘密管理性は失われない(経済産業省「営業秘密管理指針」)(テキスト・覚えること)
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