金属の結晶構造 想定問題 3
次の(ア)~(エ)は,結晶の詰まり方と,純鉄を加熱したときの変化について述べたものである。正誤の組合せとして,最も適切なものはどれか。
(ア)面心立方構造と六方最密充填構造は,原子の積み重なり方は違うが,どちらも配位数は12で,充填率(結晶の体積のうち原子がしめる割合)は約74%である。
(イ)体心立方構造の充填率は約68%で,面心立方構造の充填率より大きい。
(ウ)純鉄を常温から加熱していくと,約912℃で体心立方から面心立方に変わり,さらに約1390℃で再び体心立方に変わる。
(エ)α鉄は,約770℃(キュリー点)で強磁性を失うが,この温度では結晶構造は体心立方のまま変わらない。
アイウエ
解説
ポイント
結晶の充填率と,純鉄を加熱したときの構造と磁性の変化についての記述の正誤を問う問題です。
考え方と解き方
充填率は,単位胞の体積のうち原子がしめる割合です。純鉄は,加熱すると 912℃ と 1390℃ で構造が変わります。
ア:正しい。面心立方と六方最密充填は,層の重なり方が違うだけで,配位数12,充填率約74%は同じです。
イ:誤り。体心立方の約68%は,面心立方の約74%より小さいです。「大きい」は逆です。
ウ:正しい。体心立方の α 鉄が約912℃で面心立方の γ 鉄になり,約1390℃で再び体心立方の δ 鉄になります。
エ:正しい。約770℃では磁性だけが変わり(強磁性から常磁性),結晶構造は体心立方のままです。答えは ア 正,イ 誤,ウ 正,エ 正
覚えておくこと
- 充填率:面心立方と六方最密充填は約74%,体心立方は約68%(テキスト・覚えること)
- 面心立方と六方最密充填は,原子の積み重なり方が違うだけで,配位数と充填率は同じ(テキスト・覚えること)
- 純鉄は常温で体心立方の α 鉄で強磁性。約 912℃ で面心立方の γ 鉄に変わり,原子がより密に詰まるので体積は縮む(テキスト・覚えること)
- 770℃ で変わるのは磁性だけ。結晶構造が変わるのは 912℃ と 1390℃(テキスト・ひっかけ)
類似する過去問:令和5年度 基礎科目 I-4-3、令和2年度 基礎科目 I-4-4
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