基礎科目・化学・材料
金属の強さと壊れ方
4問H23・H24・H30・R7
結晶粒を細かくすると強くなること、加工硬化と再結晶、疲労破壊・脆性破壊、じん性を調べる試験が出ます。
よく出る形
- 金属の塑性,結晶粒の大きさと強さ,加工硬化,くり返しの力による破壊を穴埋め(平成23,平成30はほぼ同じ)
- リバティ船やコメット号の事故と,破壊の種類を穴埋め(平成24)
- 金属材料についての5つの記述から,誤りを選ぶ(令和7)
- 強くなる・弱くなるの向きを入れ替えた文が,1か所まざる。事故と破壊の種類の組合せを入れ替える出し方もある
覚えること
- 金属がよく伸びて変形できる(塑性がある)のは,自由電子による金属結合のため。共有電子対は共有結合の話
- 結晶粒(金属をつくる小さな結晶のつぶ)は,細かいほど強くなる。つぶの境目(粒界)が変形のじゃまをするため(ホール・ペッチの関係)
- 結晶粒を細かくすると,強度だけでなく,じん性も上がる傾向がある。粒界は亀裂が進むのもじゃまする
- 降伏応力:金属が元に戻らない変形(塑性変形)を始めるときの応力
- 加工硬化:常温でたたいたり曲げたりすると,硬く伸びにくくなること
- 再結晶:加工硬化した金属を加熱すると,ひずみのない新しい結晶ができて,硬さが下がり,延性(よく伸びる性質)が戻る
- 疲労破壊:引張強さより小さな力でも,何度もくり返しかかると壊れること。例:ジェット旅客機コメット号の事故
- 脆性破壊:ほとんど伸びずに一気に割れること。低温で起きやすく,例:溶接で作った貨物船リバティ船の事故
- じん性:割れにくいねばり強さ。シャルピー衝撃試験(切り欠きをつけた試験片を振り子のハンマーで割る)で調べる。ゆっくり引っ張るのは引張試験
- クリープ:高温で一定の荷重をかけ続けると,時間とともにひずみが少しずつ増える現象
- 応力集中:切り欠き・穴・傷などの形が急に変わるところで,局部的に応力が大きくなること。疲労の亀裂の出発点になり,疲労強度は下がる
- 低温脆性:温度が下がるとじん性が急に落ちる性質。体心立方の鋼で起こりやすく,面心立方のアルミニウム合金などでは起こりにくい
- 疲労限度:その応力より小さければ,何回くり返しても疲労破壊しない応力の上限。引張強さよりかなり小さい
- 硫黄を多めに入れた快削鋼は,削りやすい(被削性がよい)鋼
解き方
- 穴埋めは「くり返し → 疲労」「一気に割れる → 脆性」「細かい粒 → 強い」「常温で加工 → 加工硬化」の対応で選ぶ
- 正誤問題は,強くなる・弱くなるの向きが逆になっていないかを確かめる
- 事故は「コメット号 = 疲労」「リバティ船 = 脆性」と決めて当てはめる
ひっかけ
- 結晶粒を粗大化(大きく)させると強度が上がる,は誤り
- 再結晶で延性は「減る」のではなく「戻る(増える)」
- コメット号は疲労,リバティ船は脆性破壊。入れかえに注意
- シャルピー衝撃試験は,ゆっくり引っ張る試験ではなく,衝撃で打ち割ってじん性を調べる試験
- 疲労破壊を「大きな荷重が1回かかった時」の壊れ方としない。小さな応力のくり返しで起こる
- 応力集中は疲労強度に影響しない,は誤り。疲労限度は引張強さと同じ値,も誤り
このテーマの過去問(このサイトに解説がある 1問)
- 令和7年度金属材料基礎科目 I-4-3解説を読む
平成に出た同じテーマ(3問)
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