金属の強さと壊れ方 想定問題 1
次の文は,金属が変形したり壊れたりするしくみについて述べたものである。【 】に入る語句の組合せとして,最も適切なものはどれか。
金属が割れずに大きく変形できるのは,金属原子どうしが【ア】によって結びついているためである。多くの結晶粒からできている金属では,結晶粒を小さくするほど降伏応力は【イ】なる。また,金属を常温で圧延したり曲げたりすると,だんだん硬くなり伸びにくくなる。この現象を【ウ】という。さらに,引張強さより小さな応力でも,くり返し何度も加えられると,やがて亀裂が生じて破断することがある。これを【エ】破壊という。
アイウエ
解説
ポイント
金属がよく変形できる理由,結晶粒の大きさと強さ,加工硬化,疲労破壊を問う穴埋めの問題です。
考え方と解き方
金属の強さの基本4つの対応を,順に当てはめます。
ア:自由電子。原子のあいだを動き回って原子をつなぐので,位置がずれてもつながりが切れにくく,割れずに変形できます。共有電子対は共有結合の話です。
イ:大きく。結晶粒を小さくするほど,粒界が変形のじゃまをするので,降伏応力は大きくなります。
ウ:加工硬化。常温で圧延したり曲げたりして硬くなる現象です。再結晶は,加熱してやわらかさが戻る現象です。
エ:疲労。引張強さより小さい応力でも,くり返し加わって壊れるのが疲労破壊です。脆性破壊は,一気に割れる壊れ方です。答えは ア 自由電子,イ 大きく,ウ 加工硬化,エ 疲労
覚えておくこと
- 金属がよく伸びて変形できる(塑性がある)のは,自由電子による金属結合のため。共有電子対は共有結合の話(テキスト・覚えること)
- 結晶粒(金属をつくる小さな結晶のつぶ)は,細かいほど強くなる。つぶの境目(粒界)が変形のじゃまをするため(ホール・ペッチの関係)(テキスト・覚えること)
- 加工硬化:常温でたたいたり曲げたりすると,硬く伸びにくくなること(テキスト・覚えること)
- 疲労破壊:引張強さより小さな力でも,何度もくり返しかかると壊れること。例:ジェット旅客機コメット号の事故(テキスト・覚えること)
類似する過去問:平成30年度 基礎科目 I-4-4、平成23年度 基礎科目 I-4-4
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