基礎科目・化学・材料
金属の腐食と不働態
3問H25・H30・R5
腐食の定義、アルミニウムやステンレス鋼の不働態皮膜、局部腐食、温度の影響についての正誤問題が出ます。
よく出る形
- 金属の腐食についての5つの記述から,適切なものを選ぶ(令和5と平成30はほぼ同じ選択肢)
- 乾食と湿食,不働態皮膜,応力腐食割れ,水素脆化についての記述から,不適切なものを選ぶ(平成25)
- 適切な1本を選ぶ年(令和5・平成30)と,不適切な1本を選ぶ年(平成25)がある。同じ定番の記述が形を変えてくり返し出る
覚えること
- 腐食:金属がまわりの水・酸素などと化学反応(電気化学反応)して,溶けたりさびたりして傷むこと
- 乾食は水のない高温のガスの中での腐食,湿食は水があるところでの腐食
- 不働態:表面にとても薄く緻密な酸化物の膜ができ,内側を守って反応が進まなくなった状態。アルミニウム,クロム,チタンが代表
- チタンは安定な不働態皮膜をつくるので海水にも強く,海水を使う熱交換器などに使われる
- ステンレス鋼:鉄にクロムをおよそ 10.5% 以上加えた合金。クロムの不働態皮膜でさびにくくなる
- 腐食は温度が高いほど,一般に速く進む
- 局部腐食:孔食(小さな穴があく),すきま腐食,粒界腐食など。全面が均一に減るより見つけにくく危険
- 海水のように塩化物イオンが多いと,ステンレス鋼でも不働態皮膜が局部的に壊れ,孔食が起こりやすい
- 応力腐食割れ:引張応力と腐食環境が重なって割れが進む現象。圧縮応力では起こりにくい
- 水素脆化:金属が水素を吸ってもろくなる現象。延性は下がる
- イオン化傾向:金属が水の中で電子を失い,陽イオンになろうとする性質。大きいほど溶け出しやすい。Zn > Fe > Sn
- 違う金属が水分を通じてふれあうと,イオン化傾向の大きい金属が先に溶け出し,小さい金属は守られる
- 犠牲防食:より溶けやすい金属を先に腐食させて,目的の金属を守る方法。船の外板に亜鉛の板を付けるのも例
- トタン(亜鉛めっき)は傷がついても亜鉛が先に溶けて鉄を守る。ブリキ(スズめっき)は傷がつくと鉄が先に腐食する
解き方
- 「定義」「材料の成分」「温度」「均一か局所か」の4点を,それぞれ覚えたことと照らす
- 2種類の金属は,イオン化傾向の大きいほうが先に腐食すると決めて当てはめる
- 「〜しない」「〜だけ」と言い切る記述は,誤りのことが多い
ひっかけ
- ステンレス鋼は,鉄に銅ではなくクロムを加えた合金
- 腐食は,力学的にすり減る現象(それは摩耗)ではない
- 「腐食速度は温度によらない」「局所的には生じない」は誤り
- チタンは不働態皮膜をつくりにくいのではなく,安定な皮膜をつくる
- 犠牲防食を不働態化と言いかえない。不働態化は緻密な膜で反応が止まること
このテーマの過去問(このサイトに解説がある 1問)
- 令和5年度金属の腐食と不働態基礎科目 I-4-4解説を読む
平成に出た同じテーマ(2問)
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- 平成30年度金属材料の腐食
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