金属の腐食と不働態 想定問題 2
次の(ア)~(エ)は,金属材料が環境によって傷んだりもろくなったりする現象について述べたものである。正誤の組合せとして,最も適切なものはどれか。
(ア)乾食は,水が存在しない高温のガスの中で,金属が酸素などと直接反応して酸化物をつくる腐食である。
(イ)応力腐食割れは,腐食しやすい環境と引張応力が重なって割れが進む現象で,圧縮応力だけがかかる部分で特に起こりやすい。
(ウ)水素脆化は,金属が水素を吸収することで延性が増し,やわらかくなる現象である。
(エ)海水のように塩化物イオンを多く含む環境では,ステンレス鋼でも不働態皮膜が局部的に壊れ,孔食が起こることがある。
アイウエ
解説
ポイント
乾食,応力腐食割れ,水素脆化,塩化物イオンによる孔食についての記述の正誤を問う問題です。
考え方と解き方
乾食は水のない高温のガス中,応力腐食割れは引張応力と腐食環境の重なり,水素脆化は「もろくなる」現象です。
ア:正しい。水のない高温のガスの中で,金属が酸素などと直接反応して酸化物をつくる腐食が乾食です。
イ:誤り。応力腐食割れに必要なのは引張応力です。圧縮応力は割れを閉じる向きの力なので,「圧縮応力だけで特に起こりやすい」は逆です。
ウ:誤り。水素脆化は,水素を吸って「もろくなる」現象で,延性は下がります。「延性が増してやわらかくなる」は逆です。
エ:正しい。塩化物イオンは不働態皮膜を局部的に壊しやすく,ステンレス鋼でも孔食が起こることがあります。答えは ア 正,イ 誤,ウ 誤,エ 正
覚えておくこと
- 乾食は水のない高温のガスの中での腐食,湿食は水があるところでの腐食(テキスト・覚えること)
- 海水のように塩化物イオンが多いと,ステンレス鋼でも不働態皮膜が局部的に壊れ,孔食が起こりやすい(テキスト・覚えること)
- 応力腐食割れ:引張応力と腐食環境が重なって割れが進む現象。圧縮応力では起こりにくい(テキスト・覚えること)
- 水素脆化:金属が水素を吸ってもろくなる現象。延性は下がる(テキスト・覚えること)
類似する過去問:平成25年度 基礎科目 I-4-4
テキスト「金属の腐食と不働態」を読む