フックの法則とポアソン比 想定問題 3
等方性線形弾性体の弾性定数に関する次の記述のうち,最も不適切なものはどれか。ただし,Eはヤング率,νはポアソン比とする。
解説
ポイント
ヤング率・ポアソン比と,せん断弾性係数・体積弾性係数の関係について,最も不適切な記述を選ぶ問題です。
考え方と解き方
全方向から圧力 p で押すと,体積ひずみは (1 − 2ν)(−3p)/E です。体積弾性係数 K は,圧力 ÷ 体積ひずみの大きさで表します。
- ①:ポアソン比は横のひずみと縦のひずみの比の大きさ。適切
- ②:G = E/{2(1 + ν)} は等方性材料の基本の関係。適切
- ③:鋼のポアソン比はおよそ0.3。適切
- ④:K = E/{3(1 − 2ν)} の式は正しい。ただし ν が 1/2 に近づくと分母が0に近づくので,K は大きくなり,体積は変わりにくくなる。「小さくなる」は誤りで,不適切
- ⑤:ν > 1/2 だと体積ひずみが正になり,押したのに体積が増える。そのため ν は 1/2 を超えない。適切
- 不適切なのは④だけなので,答えは ④
覚えておくこと
- せん断弾性係数(横弾性係数)G = E/{2(1 + ν)}。鋼(E ≒ 206 GPa,ν ≒ 0.3)で G ≒ 79 GPa(テキスト・覚えること)
- 体積弾性係数 K = E/{3(1 − 2ν)}。ν が 1/2 に近づくと K は大きくなり,体積は変わりにくくなる(テキスト・覚えること)
- ν は 1/2 を超えない(超えると,全方向から押したのに体積が増えることになる)(テキスト・覚えること)
- ν が 1/2 に近づくと K が小さくなる,としない(大きくなる)(テキスト・ひっかけ)
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