ばねと棒のエネルギー 想定問題 3
ばねや棒にたまるエネルギーに関する次の(ア)~(エ)の記述について,正しいものを○,誤っているものを×としたとき,その組合せとして最も適切なものはどれか。ただし,ばねと棒は弾性の範囲で使い,ばねの質量は考えない。
(ア)上端を固定したばね定数 k のばねに質量 m の質点をつるし,ばねの自然長からの下向きの伸びを x とする。自然長の位置を重力の位置エネルギーの基準とすると,ばねの弾性エネルギーと重力の位置エネルギーを合わせた全ポテンシャルエネルギーは (1/2)kx2 - mgx で表される。
(イ)(ア)の全ポテンシャルエネルギーは,質点がつり合う位置 x = mg/k で最大となる。
(ウ)一端を固定した長さ l,断面積 A,ヤング率 E の棒の他端を,軸方向の荷重 P で引っ張る。このときのひずみエネルギー P2l/(2EA) を P で微分すると,荷重点の荷重方向の変位(棒の伸び)に等しくなる。
(エ)(ア)の質点を,自然長の位置から手で支えながらゆっくり下ろし,つり合いの位置で静止させた。このときばねにたまった弾性エネルギーは,質点が下がる間に重力がした仕事 mg × (mg/k) に等しい。
アイウエ
解説
ポイント
全ポテンシャルエネルギー,ひずみエネルギーと伸びの関係,ゆっくり下ろしたときのエネルギーの行き先を問う問題です。
考え方と解き方
つり合いの位置は,全ポテンシャルエネルギーが最小になる位置です。ひずみエネルギーを荷重で微分すると変位になります(カスティリアノの定理)。
ア:正しい。ばねのエネルギーは (1/2)kx2,重力の位置エネルギーは下がった分だけ減って −mgx。合わせて (1/2)kx2 − mgx です。
イ:誤り。(1/2)kx2 − mgx を x で微分すると kx − mg。0になるのは x = mg/k。もう一度微分すると k(正)なので,そこは最大でなく最小です。
ウ:正しい。P2l/(2EA) を P で微分すると Pl/(EA) で,棒の伸びと一致します。一端が固定なので,これは荷重をかけた点の荷重方向の変位です。
エ:誤り。ばねのエネルギーは (1/2)k(mg/k)2 = (mg)2/(2k)。重力がした仕事 (mg)2/k の半分だけで,残りは支えた手が受け取ります。答えは ア ○,イ ×,ウ ○,エ ×
覚えておくこと
- つり合いの位置は,全ポテンシャルエネルギー(ばね + 重力)が最小になる位置(テキスト・覚えること)
- 全ポテンシャルエネルギー:自然長の位置を基準に,下向きの伸びを x とすると (1/2)kx2 − mgx。最小値は −(mg)2/(2k)(テキスト・覚えること)
- カスティリアノの定理:U を荷重 P で微分すると,荷重点の荷重方向の変位(棒なら伸び Pl/(EA))になる(テキスト・覚えること)
- つり合いの位置まで手で支えてゆっくり下ろすと,ばねにたまるのは重力がした仕事の半分。残りは手が受け取る(テキスト・覚えること)
類似する過去問:平成30年度 基礎科目 I-3-5、令和元年度 基礎科目 I-3-5
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