倫理綱領と公衆への責任 想定問題 2
次の(ア)~(オ)は,技術士が業務の中でとった行動である。日本技術士会の「技術士倫理綱領」(2023年3月改定)の趣旨に沿うものを○,沿わないものを×として,最も適切な組合せはどれか。
(ア)公共工事の発注者側の技術士として業務にあたっていたAさんは,契約で定められた報酬のほかに,工事を受注した会社から「日ごろのお礼」として商品券を受け取った。
(イ)Bさんは,ある依頼者の業務で知った製造工程の情報を,契約で定めた範囲の中だけで使い,別の顧客に出す提案書には使わなかった。
(ウ)Cさんは,社内の技術検討会で,自分の専門外で十分な知識のない分野について意見を求められ,議論を早くまとめるため,確かなことのように言い切って答えた。
(エ)Dさんは,協力会社の作業員も含めて現場で働く人の安全と人権を守り,国籍や性別などによる差別のない職場づくりに努めた。
(オ)海外の案件を担当したEさんは,現地の法令と関係する国際規格を確かめるとともに,現地の宗教上の行事に配慮して工程を組んだ。
アイウエオ
解説
ポイント
技術士の行動が,倫理綱領の趣旨に沿うかどうかを1つずつ判断する問題です。
考え方と解き方
それぞれの行動が,どの基本綱領にかかわるかを考えます。
ア:誤り。受注会社は,発注者側から見て利害関係者です。契約の報酬以外の商品券を受け取るのは,信用の保持に反します。
イ:正しい。秘密情報を契約の範囲内でだけ使い,ほかの顧客に転用していないので,秘密情報の保護に沿います。
ウ:誤り。十分な知識がない分野で確かなことのように言い切るのは,専門的な見識の範囲で述べるという真実性の確保に反します。分からないことは分からないと伝え,専門家の意見を求めます。
エ:正しい。協力会社の人も「共に働く者」です。安全・人権を守り,多様性を尊重しているので,相互の尊重に沿います。
オ:正しい。現地の法令と国際規格を守り,宗教などの文化を尊重しているので,法令等の遵守に沿います。答えは ア ×,イ ○,ウ ×,エ ○,オ ○
覚えておくこと
- 真実性の確保:報告・説明・発表は,客観的で事実に基づいた情報で行う。捏造・改ざん・盗用や誇張した表現をしない。意見は専門的な見識の範囲で述べる(テキスト・覚えること)
- 信用の保持:契約で定めた報酬以外の利益を,利害関係者とやりとりしない(テキスト・覚えること)
- 秘密情報の保護:秘密情報は法令・契約で定めた範囲でだけ使い,正当な理由なく開示・転用しない(テキスト・覚えること)
- 相互の尊重:共に働く者(協力会社の人も含む)の安全・健康・人権を守り,多様性を尊重する(テキスト・覚えること)
類似する過去問:令和6年度 適性科目 II-11、令和7年度 適性科目 II-4、令和2年度 適性科目 II-2
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