金属の結晶構造 想定問題 2
室温の純鉄(α鉄)は体心立方構造をとり,単位胞(結晶をくり返しつくる最小の単位で,ここでは立方体)の一辺の長さは 0.287 nm である。鉄のモル質量を 55.8 g/mol,アボガドロ定数を 6.02 × 1023 /mol とするとき,α鉄の密度に最も近い値はどれか。ただし,1 nm = 1 × 10−7 cm とする。
解説
ポイント
体心立方の鉄の単位胞の大きさから,密度を求める問題です。
考え方と解き方
密度 = 質量 ÷ 体積です。単位胞1つについて,質量と体積を求めます。体心立方の原子の数は2個です。
- 辺を cm にする:0.287 nm = 2.87×10−8 cm
- 単位胞の体積:(2.87×10−8)3 ≒ 2.364×10−23 cm3
- 単位胞の質量:原子2個分なので 2 × 55.8 ÷ (6.02×1023) ≒ 1.854×10−22 g
- 密度:1.854×10−22 ÷ (2.364×10−23) ≒ 7.84 g/cm3。答えは ② 7.8 g/cm3
ほかの選択肢
①(3.9):原子の数を1個として計算した値です。
④(15.7):原子の数を4個(面心立方の数)とした値です。
⑤(35.3):角の原子を 1/8 にせず,角8個+中心1個=9個と数えた値です。
覚えておくこと
- 数え方:角の原子は 1/8 個分,面の中心は 1/2 個分,立方体の中心は 1 個分(テキスト・覚えること)
- 密度 =(単位胞の原子の数 × モル質量 ÷ アボガドロ定数)÷ a3。1 nm = 10−7 cm(テキスト・覚えること)
- 原子の数を数え違えない。角を 1/8 にせず 1 個と数えると,体心立方が 9個になる(テキスト・ひっかけ)
類似する過去問:令和2年度 基礎科目 I-4-4、令和6年度 基礎科目 I-4-3
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