数値解析の誤差
解説
ポイント
コンピュータの計算で出る誤差(桁落ち・情報落ち)と,数値計算の基本を問う問題です。
考え方と解き方
コンピュータは決まった桁数でしか数を持てないので,計算のたびに丸め誤差が出ます。
数学では同じ式でも,計算の順番や形がちがえば誤差の出方が変わります。
①:数学的に同じ式でも,形がちがうと丸め誤差や桁落ちの出方が変わり,結果がずれることがあります。たとえば √(x+1)−√x と 1/(√(x+1)+√x) は同じ値ですが,x が大きいと前者は桁落ちします。これが誤りです
②:近い大きさの2数の引き算で上の桁が打ち消し合い,意味のある桁が減るのが桁落ちです。正しいです
③:大きい数と小さい数の足し算で,小さい数が桁の外に消えるのが情報落ちです。正しいです
④:ガウスの消去法や LU 分解,反復法なら,逆行列を作らずに解けます。正しいです
⑤:要素を細かくすると近似はよくなります(計算量は増えます)。正しいです。答えは ①
覚えておくこと
- 桁落ち:近い2数の引き算で有効桁が減る。情報落ち:大きさのちがう2数の足し算で小さい方が消える
- 「数学的に同じ=計算結果も同じ」とは限らない。引き算を避ける形に式を変形して桁落ちを防ぐ
- 連立方程式は逆行列を作らず,消去法や反復法で解くのがふつう
出典:令和5年度 技術士第一次試験 基礎科目 I-3-3(公益社団法人日本技術士会) ジャンル:数学