材料の性質と引張試験 想定問題 2
部材の強さに関わる金属の性質について述べた次の(ア)~(エ)を,正しいものは○,誤っているものは×としたとき,その組合せとして最も適切なものはどれか。
(ア)軸の段の付け根や,板に開けた小さな穴のふちでは,その断面の公称応力より大きな応力が局所的に生じる。この最大の応力を公称応力で割った値を応力集中係数という。
(イ)同じ寸法の棒を同じ荷重で引っぱって弾性の範囲で伸ばしたとき,縦弾性係数が大きい材料でできた棒ほど,よく伸びる。
(ウ)鋼の S-N曲線(くり返し応力の振幅と,破壊までのくり返し数の関係)は,一般に,ある応力振幅より下でほぼ水平になる。この応力振幅を疲労限度という。
(エ)高温で使うボイラー管などで問題になるクリープは,荷重を一定に保っていても変形がゆっくり進む現象で,材料の温度が低いほど起こりやすい。
アイウエ
解説
ポイント
応力集中・縦弾性係数・疲労限度・クリープの4つを,正誤で確かめる問題です。
考え方と解き方
それぞれの性質が,どんな条件で強く出るかを確かめます。
ア:正しい。段の付け根や穴のふちでは応力集中が起き,最大の応力 ÷ 公称応力が応力集中係数です。
イ:誤り。伸び λ = Pl/(EA) なので,寸法と荷重が同じなら,E が大きいほど伸びは小さくなります。
ウ:正しい。鋼の S-N曲線は,ある応力振幅より下でほぼ水平になります。この応力振幅が疲労限度です。
エ:誤り。クリープは温度が高いほど起こりやすく,ボイラー管など高温で使う部材で問題になります。答えは ア ○,イ ×,ウ ○,エ ×
覚えておくこと
- 縦弾性係数(ヤング率)E が大きいほど変形しにくい(ε = σ/E)(テキスト・覚えること)
- S-N曲線(応力振幅と,壊れるまでの繰り返し数):鋼はある振幅より下でほぼ水平になる。この応力が,何回繰り返しても壊れない応力の上限(疲労限度)(テキスト・覚えること)
- 穴や段差など形が急に変わる所では応力集中が起き,公称応力より大きな応力が出る。相当応力(von Mises 相当応力)も大きくなる。応力集中係数 = 最大の応力 ÷ 公称応力(テキスト・覚えること)
- クリープは,引張強さの大きい材料や低い温度で起きる,としない(高温で目立つ)(テキスト・ひっかけ)
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