研究倫理と研究不正 想定問題 2
次の(ア)~(オ)の研究者の行為について,文部科学省「研究活動における不正行為への対応等に関するガイドライン」の特定不正行為(捏造,改ざん,盗用)に当たるものは○,当たらないものは×として,最も適切な組合せはどれか。
(ア)研究者Aは,学会で認められた方法で実験と解析を行い,論文を発表した。数年後,ほかの研究グループの追試により,Aの論文の結論は誤りであったことが明らかになった。Aのデータや手順に操作は見つからなかった。
(イ)研究者Bは,自分の仮説に合わない測定値があったため,除いた理由を記録も説明もしないまま,その測定値を外してグラフを作り,論文に載せた。
(ウ)研究者Cは,締め切りに間に合わせるため,実際には行っていない試験の結果を,予想される値をもとに作り,投稿論文に載せた。
(エ)研究者Dは,共同研究者の了解を得たうえで,二人で以前に発表した論文の図を,出典を明記して自分の解説記事に引用した。
(オ)研究者Eは,学会の懇親会でほかの研究者から聞いた未発表のアイディアを,その研究者に断らず,出典も示さないで,自分の論文の中心的な提案として発表した。
アイウエオ
解説
ポイント
研究者の行為が,特定不正行為に当たるかどうかを1つずつ判断する問題です。
考え方と解き方
ないものを作れば捏造,本当でないものに加工すれば改ざん,了解や表示なく使えば盗用です。
ア:誤り。認められた方法で研究し,データにも操作がありません。結論があとで誤りと分かっただけなので,不正には当たりません。
イ:正しい。仮説に合わない値を,理由を示さずに外しています。結果を本当でないものに加工するので,改ざんに当たります。
ウ:正しい。行っていない試験の結果を作っています。存在しない結果を作る捏造です。
エ:誤り。共同研究者の了解を得て,出典も明記しています。了解も適切な表示もあるので盗用ではありません(図の転載の許可など,著作権の手続きが別に要ることはあります)。
オ:正しい。他人の未発表のアイディアを,了解も出典もなく自分のものとして発表しています。アイディアの無断使用も盗用です。答えは ア ×,イ ○,ウ ○,エ ×,オ ○
覚えておくこと
- 特定不正行為(FFP):捏造(ないデータを作る),改ざん(データを都合よく書き換え,真正でないものにする),盗用(他人のアイディアや文章を了解や適切な表示なく使う)(テキスト・覚えること)
- 正しい方法で研究して,結果が誤りだっただけなら不正ではない(テキスト・覚えること)
- 盗用の対象はアイディア,分析・解析方法,データ,研究結果,論文,用語。未発表のアイディアも含む(テキスト・覚えること)
- 都合の悪い値を,理由を示さずに外さない。外す時は理由を記録し,論文にも示す(テキスト・ひっかけ)
類似する過去問:令和元年度(再試験) 適性科目 II-10、平成24年度 適性科目 II-15、平成26年度 適性科目 II-3
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