明治〜戦前の日本の産業技術
解説
ポイント
明治維新から第二次世界大戦までの日本の工業化について,まちがった記述を1つ選ぶ問題です。
考え方と解き方
テイラーの科学的管理法は戦前(大正時代)から日本で広まりました。統計的品質管理が本格的に入ったのは戦後で,1950年のデミング博士の講演などがきっかけです。
この順番を取りちがえた記述を探します。
①:江戸時代の織物や陶磁器などの手工業が,西洋技術を取り入れて発展しました。適切です。
②:欧米で完成した技術をまとめて輸入し,安い労働力で安い製品をつくりました(綿紡績など)。適切です。
③:日本工学会は工部大学校の卒業生がつくったもので,高学歴者中心という特徴があり,内容は事実に合います。ただし,あとで③も正答あつかいになりました(下の「ほかの選択肢」)。
④:科学的管理法は戦前に注目されましたが,統計的品質管理は戦後の導入です。「その際に導入された」は時代が合わず,不適切です。
⑤:技術系の役人が,事務官より低い地位を上げようと運動しました。適切です。答えは ④(③も正答あつかい)
ほかの選択肢
③(学協会):公式発表では設問に誤解を招く記述があったとして,③を選んだ人にも得点が与えられました。③と④のどちらも正答あつかいです。
覚えておくこと
- 科学的管理法(テイラー):戦前(大正)に「能率増進運動」として広まった
- 統計的品質管理(SQC):戦後,デミング(1950年)の講演などをきっかけに本格導入
- 日本の工学系学会は,工部大学校などの大学出身者が中心につくった
出典:令和2年度 技術士第一次試験 基礎科目 I-5-5(公益社団法人日本技術士会) ジャンル:科学技術史・政策